研究課題/領域番号 |
20K03002
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
宮脇 大 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20336788)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 社会的逆境 / 易刺激性 / 重篤気分調節症 |
研究実績の概要 |
大阪市立大学医学部附属病院神経精科外来を受診した6-18歳の自閉スペクトラム症を有する児童30例を対象に調査を実施した。自閉スペクトラム症の診断基準は、アメリカ精神医学会の精神疾患の診断基準・診断分類の第5版を用いた。除外基準として、知的発達症の併存、コントロール不良のてんかんなどの器質的疾患の併存、生物学的両親とも不在であること等を採用した。 易刺激性および重篤気分調節症関連症状、気分症状、精神病症状について閾値下症状を含めた軽躁や抑うつなどの気分症状および幻覚や被害妄想などを含めて評価した。また自閉スペクトラム症の診断状況、親の不在や貧困などの社会経済的状況等についても調査した。 評価尺度として、子どもの行動チェックリスト親版、子ども行動チェックリスト教師版、日本版感覚プロファイル、ADHD-評価スケール日本語版、スペンス児童用不安尺度親評定版、ユースセルフレポートやバールソン児童用抑うつ尺度、児童向けウェクスラー式知能検査(WISC-Ⅳ)日本語版を実施した。 易刺激性などの併存症状の有症率等について、易刺激性を有する群と有さない群間等で、カイ二乗検定を実施した。加えて、各精神症状の有無を従属変数とし、自閉スペクトラム症診断、気分障害、不安症、反抗挑発症等の主要な精神医学併存症、年齢、性別、社会的逆境や社会経済的状況、各評価尺度得点などを独立変数としたロジスティック回帰分析等の予備的解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症蔓延の影響で、症例集積予定を変更し、一部実施を延期せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は計画通りの研究推進復帰を予定している。ただし、今後の新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、非常事態宣言の発出に伴う診療制限等のため、再度一時的に症例集積が困難となる可能性がある。その際には、研究計画書に記載した症例集積のための代替案を実行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症蔓延による学会や他の研究者との情報交換会の中止や延期に伴って、旅費や背景調査票の作成費などの執行等を延期せざるを得なかったため。
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