研究課題/領域番号 |
20K03004
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研究機関 | 星槎大学 |
研究代表者 |
三田地 真実 星槎大学, 教育学研究科, 教授 (10209265)
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研究分担者 |
坂上 貴之 慶應義塾大学, 文学部(三田), 名誉教授 (90146720)
神山 努 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, インクルーシブ教育システム推進センター, 研究員 (50632709)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 保護者支援 / 応用行動分析学 / ABA / DVD / 動画 / ペアレント・トレーニング / ペアトレ |
研究実績の概要 |
2020年度前期は、世界的なコロナ禍の影響を受け、研究活動はほとんど進めることができていない(研究代表者は、大学の本務において、オンライン会議システムを使って授業を行うという緊急プロジェクトの実施の責任者(全学FD委員長)であったために、非常勤を含む全学教員を対象とした研修を企画立案から、複数回実施まですべて担当していたため)。 後期は、研究分担者、研究協力者との研究会議を数回実施し、今後の方向性についてそもそもの予定であった保護者を対象としたアンケート調査の内容の検討を進めることができた。その結果、保護者の課題は子どもの障害のタイプや年齢、家族構成などによって様々であり、教師を対象に行った課題抽出の先行研究(三田地、2015)のように、一様に抽出することは難しいという結論に至った。 本研究のそもそもの目的は、保護者支援の一助となる応用行動分析学(ABA)の理解啓発のための動画を作成し、効果を検証したのち、社会実装としてなるべく多くの保護者の手に届くようにすることである。その一つの方策として、ペアレント・トレーニング(ペアトレ)の実践研究がすでに進められていることに着目することとした。保護者に対するペアトレは、厚生労働省の発達障害者支援施策「発達障害児者及び家族等支援事業」の一つである「家族のスキル向上支援事業」においても実施が支援されている。そこで、本研究の動画コンテンツの内容については、厚生労働省障害者総合福祉推進事業(2019年度)「発達障害支援における家族支援プログラムの地域普及に向けたプログラム実施基準作成及び実施ガイドブックの作成」として作成、公開されている「ペアレント・トレーニング実践ガイドブック」に基づくこととした。 研究会議では、重要な視点として、「ペアトレ」に参加したいと思っても、地域の事情によってはなかなか参加できない保護者が一定数存在することが指摘された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画段階では、初年度で動画のシナリオを作成し、仮動画の撮影まで行うことを予定していた。しかし、研究代表者、及び研究分担者が在住している首都圏においては、2020年度、緊急事態宣言が発出され、現在(2021年5月)もそれが継続している状況下では、オンライン会議システムを使っての研究会議は開催できるが、実際に対面での動画撮影は実施不可能な状態である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の進捗は新型コロナ感染症の収束次第であることは否めず、それまでにオンラインで可能なところはできるだけ進めていくことを考えている。具体的にはペアレント・トレーニングに参加したくてもできない状況や要因は何かの抽出などを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により、対面での研究実施が困難になったため、当初計上していた旅費、及び対面での研究に必要な経費を使うことなく2020年度が終了したため。 2021年度もコロナ禍の影響は依然として続いているので、コロナ禍の収束をみこして、最終年度、あるいは研究機関の延長も検討せざるを得ない状況である。
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