研究課題/領域番号 |
20K03010
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
本田 恵子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50317674)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | MI(マルティプルインテリジェンス) / 授業改善 / MI尺度 / 自動診断システム / 評価のルーブリック |
研究実績の概要 |
2020年度は、尺度形成を目的としており以下の成果が得られた。1.MI(マルティプルインテリジェンス)尺度コンピューター診断用個別システムの小学校、中学校、高校用の自動診断システムの作成、2.MI診断システムの集団実施およびタイプ別分類システムの作成(エクセルシートの活用) また、実践研究の準備として2校で実施し、以下の成果を得た。1.実践研究校:2校(奈良県小学校1校、東京都中学校1校)。2.取り組み:1)尺度を活用した座席の工夫、小学校では初任者の算数の授業改善、中学校では、数学・体育の授業改善、2)到達度のルーブリックの作成、3)当初予定になかった、コロナ禍におけるストレス症状の改善のためのソーシャルスキル活動にMIを活用した取り組み、3.成果:小学校は、初任者教員で授業が崩壊に近い状況であり不登校児童が3名いたが、実践時の授業には参加するようになった。また、MIのルーブリックづくりを通じて、学年の到達度が統一され教員の連携もとれるようになった。中学校では、コロナ禍での中学校1年生のストレスやクラス作りが不安定であり、その改善に取り組んだ結果、MI別のグループ分けにより、2回の実践で子どもたちのストレスは軽減し、クラス作り(ASSESSにおける、向社会的行動が向上した)、また、その取り組みを体育の授業改善に活かしたところ、女子の2クラス合同授業において、生徒が自主的対話的にグループ活動を実施することができるようになり、技能の獲得や改善が見られた(生徒の自己評価、教員による客観評価ともに)。 以上の成果を元に、2021年度は実践校を増やして汎化を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、尺度の作成を目標としたが、コロナ禍における現場の児童生徒の混乱があり、2021年度予定の実践を先に行うこととした。そのため、尺度は仮の状態で使用した。そのため、尺度生成を前半に行い、後半は妥当性の検討も含めて、実践を行った。尚、実践の評価については、MI尺度の妥当性の評価のため、ASSESS,ソーシャルスキル尺度、AN-EGOを合わせて実施することとした。2021年年度予定の実践が一部先取りで実施されている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度の予定は、到達しているため、2021年度は、小学校、中学校における実践研究となる。実践協力校は確保できているが、新型コロナの変異株の拡大の状況が収まってからの実践となるため、前期は、2020年度に引き続き、小学校1校、中学校1校での実践となる。2学期以降、当初予定の実践校にて実施予定である。 尚、コロナの拡大が収まらない場合も、実践校に対する授業改善は、録画および授業をリモート配信してリアルタイムのSVや授業研究ができるように変更している。
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次年度使用額が生じた理由 |
残金は、当初予定していた他県における実践の回数が少なかったため交通費が少なくなったこと、及び、現場実践がコロナの影響で授業計画の変更となり、活用予定のi-padの使用台数が少なくて済んだためである。見使用額は、2021年度の実践校にて使用予定の教材に変更する予定である。自動診断システムがエクセルおよびパワーポイント形式のため、機材をi-padから学校現場で児童生徒が活用しやすいSurfaceに変更する予定である。
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