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2022 年度 実績報告書

ADHD動物研究によるニューロフィードバ ック・薬物療法・応用行動分析の相乗化

研究課題

研究課題/領域番号 20K03029
研究機関福岡県立大学

研究代表者

麦島 剛  福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (40308143)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード注意欠如・多動症(ADHD) / 疾患モデル動物 / 脳波 / 行動経済学 / ニューロフィードバック
研究実績の概要

本年度は、まず昨年度までに引き続きELマウスおよびその対照系統であるDDYマウスの大脳皮質脳波を測定してθ/β比を算出した。その結果、ELマウスはDDYマウスに比べてθ/β比が大きいことが再認された。またELマウスにおいて前注意の不全を検討するためのミスマッチ陰性電位を測定した。その結果、ELマウスはミスマッチ陰性電位が出現せず、DDYマウスでは正常に作動する前注意課程に不全が見られた。さらに、ELマウスに対してθ/β比を指標にしたニューロフィードバック(NF)を実施した。またこれに先立ち、昨年度と同様にオペラント学習による内側前脳束への脳内自己刺激を行い、報酬として作用する適正強度を確定した。これらの結果、ELマウスは昨年度と同様90μAが適正であり、DDYマウスより高感度であることが示された。さらに脳内電気刺激を報酬としたNFにより学習前に比べて学習後のθ/βが低下する傾向が見られ、トレーニング中に正のフィードバックを受ける回数も上昇する傾向が見られた。
当課題における研究成果は、ELマウスの行動・認知・情動・脳波・神経メカニズムの全ての面と層においてADHDモデル動物としての妥当性を示し、ADHD児(者)に対して効果的なNF療法がELマウスにも効果的であることが示唆された。ADHD児(者)がその特性をハンディキャップとせず適切に環境適応するために、応用行動分析・薬物療法・NF療法を組み合わせて相乗化を図ることが望まれる。本研究の成果は、この最適解のための理論的研究になる可能性を持つ。本課題期間が新型コロナウイルス感染症の拡大に寸分なく重なり、半導体製品の不足等々の影響を受けたものの、ADHDの行動神経メカニズムの解明と臨床応用の一助になったと考えられる。ひきつづき疾患モデル動物でのNFの確立に向けて研究の進展が期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] ADHDモデルとしてのELマウスにおける脳内自己刺激と脳波周波数へのVIおよびDRLスケジュールの効果.2022

    • 著者名/発表者名
      竹明玲菜・榛葉俊一・吉井光信・砂原里南・坪井芹菜・久保浩明・森寺亜伊子・井上真澄・東華岳・麦島剛
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
  • [学会発表] DDYマウス及びELマウスの脳内自己刺激における電気刺激強度及び自発脳波のθ/β比に関する検討.2022

    • 著者名/発表者名
      砂原里南・榛葉俊一・吉井光信・竹明玲菜・細谷柊斗・坪井芹菜・久保浩明・森寺亜伊子・井上真澄・東華岳・麦島剛
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
  • [学会発表] ADHDモデル動物ELマウスの確率割引課題における リスク指向性と衝動性の関連.2022

    • 著者名/発表者名
      坪井芹菜・水流百香・久保浩明・吉田萌・森寺亜伊子・永井友幸・砂原里南・竹明玲菜・吉井光信・麦島剛
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
  • [学会発表] 画像解析を用いたADHDモデル動物ELマウスの オープンフィールドにおける社会的行動.2022

    • 著者名/発表者名
      麦島剛・中田萌絵・砂原里南・竹明玲菜・坪井芹菜・吉井光信・井上真澄・東華岳
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
  • [学会発表] 確率割引におけるADHDモデルマウスの選択行動のLogue et al. (1984)式を用いた検討.2022

    • 著者名/発表者名
      水流百香・坪井芹菜・甲斐田茉那・吉田萌・久保浩明・永井友幸・森寺亜伊子・中本百合江・吉井光信・麦島剛
    • 学会等名
      日本行動分析学会第40回年次大会
  • [学会発表] [大会企画シンポジウム]行動分析学と社会:社会と日常生活の心理学化が進行する時代をどう考えるか2022

    • 著者名/発表者名
      五十嵐靖博・麦島剛・吉野俊彦・森山哲美・三田地真実
    • 学会等名
      日本行動分析学会第40回年次大会

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公開日: 2023-12-25  

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