研究課題/領域番号 |
20K03033
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
津田 聡子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (20616122)
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研究分担者 |
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 名誉教授 (10216658)
室加 千佳 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (40616918)
丸山 有希 神戸女子大学, 看護学部, 准教授 (50759389)
小池 武嗣 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (70345495)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 知的障害 / 発達障害 / 思春期女子 / 月経指導 / 視覚的支援 / 教材開発 / 効果検証 |
研究実績の概要 |
思春期は、障害の有無を問わず身体的・心理的変化を伴う大変重要な時期である。知的障害のある女子の初潮年齢は、典型発達の女子の初潮年齢とほぼ同じであることが報告されているが、知的障害・発達障害のある女子の場合は、単に二次性徴によるホルモン分泌の変化だけではなく、障害ゆえの発達上の問題や、既存疾患や内服などの治療の影響も報告されている。そのため、教育においては、障害の状態に応じて重点化と個別化を図る必要性がある。中でも月経はセルフケアが困難な場合も多く、第3者の理解やサポートが重要である。しかし、わが国においては、知的障害のある思春期女子 の月経に関する報告はほとんど見当たらず、適当な教材や教具がないことや 、個人差が大きいために、教材を自作する場合も多いことが報告され、月経教育は各学校裁量となっていることも少なくない。また、月経未発来の知的障害や発達障害のある思春期女子に対して、月経の準備期に介入をした研究はほとんど見あたらない。 これまで、当該研究者が実施してきた先行研究では、障害の程度に関わらず、視覚的な月経指導の支援があることで、月経時の手当てについては、指導前と比べ指導後に有意にスキルが上がり、そのスキルは1ヵ月後まで継続することが明らかとなったが、視覚的支援が不足していた部分においては、有意な差はみられず、イメージ化を図るためにはより具体的な教材・教具の開発の重要性が示唆された。 本研究においては、視覚的サポートに焦点を当てた月経教育プログラム・教具を開発し、月経時の対応における効果検証を実施することを目的とした。 1年目は、教材の開発を計画として挙げ、知的障害・発達障害のある子どもへの月経教育マニュアルの作成や効果的なPPTの作成、さらには、遊びを通じて月経時の手当てを習得するために、月経教育人形を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、教材教具の開発を計画として挙げ、月経教育人形や月経教育プログラム用のパワーポイントスライドの作成、保護者・支援者向けの月経指導マニュアルを作成した。PPTのスライド、マニュアルにおいては、月経時の手当てやトラブル、対処法などをスモールステップとしてイラストで細かく視覚化し、指導方法については簡単でわかりやすい言葉を選び作成した。さらに、月経教育人形は、視覚的に外陰部が分かるように作成し、スライドの主人公と人形を同一化することでよりイメージできるような工夫を重ねた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、1年目に開発した教材・教具を使用して、月経教育プログラムの介入研究を実施する。月経未発来の思春期女子を対象に、教育プログラムの前後、3ヵ月後における月経時の対応について確認を行う。また、月経発来時の児の様子についても確認を行い、対照群との差を分析することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により、研究打ち合わせ会議や学会参加等のために計上していた研究分担者への旅費を使用する機会が無かったため、その金額が未使用のままとなった。今年度においても今年度の感染状況に合わせ、会議や学会参加等における旅費として引き続き計上していく。
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