研究課題/領域番号 |
20K03035
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
菅原 伸康 関西学院大学, 教育学部, 教授 (70412913)
|
研究分担者 |
渡邉 照美 佛教大学, 教育学部, 准教授 (60441466)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | セルフアドボカシースキル / 通級による指導 / 高校生 / 自尊感情 / 援助要請能力 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、2018年4月から開始された高等学校における通級による指導を受けている高校生が、生涯を自立して生きられるよう、自らの特性を理解した上で、支援が必要なときに必要な支援を他者に伝える力である「セルフアドボカシースキル」を向上させていくためのプログラムを開発することである。 2022年度は、プログラム開発協力校の通級による指導を受けた高校生が高校3年生となり、その就職や進学等へのアドバイスを行いながら、3年間の振り返りを行った。また、京都府北部の高校1年生から3年生を対象とした質問紙調査の分析を行った。悩み事や困りごと(例:人間関係、恋愛、進路・就職等)があった場合、「相談する」と回答した高校生のうち、相談者としては友人を最も多くあげており、次いで家族であった。次に、学校生活や日常生活における困りごと感の高低と悩みごとや困りごとがあった場合、それを相談するかどうか、「人間関係」「恋愛」「性格・外見」「進路・就職」「勉強」「学校生活」のそれぞれの項目において、困りごとや悩みごとを「相談する」群、「相談しない」群、「相談したいができない」群の3群で検討するため、一要因分散分析を行った。その結果「人間関係」「進路・就職」「勉強」「学校生活」で有意差が認められた。Tukeyによる多重比較の結果、「人間関係」「進路・就職」「学校生活」では、「相談する」群は「相談しない」群・「相談したいができない」群よりも有意に困りごと感得点が低く、「相談しない」群は「相談したいができない」群よりも有意に困りごと感得点が低いという結果が得られた。つまり「相談したいができない」群が、日常生活や学校生活において、最も困りごと感を抱えていると言え、その群のセルフアドボカシースキルを向上する必要があることが示唆された。2023年度にその点を詳細に検討する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で、感染予防の観点から、実際にプログラム開発協力校に赴き、継続的にプログラム開発を行うことが難しかったため、2022年度は調査の分析が中心になった。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、プログラム開発協力校に赴くことができるようになるため、早期に協力校と日程調整をし、プログラム開発を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍であり、プログラム開発協力校に頻繁に赴くことができなかったため、次年度使用額が生じた。2023年度は、実際にプログラム開発協力校に赴き、協力校の実態に合わせたプログラム開発を計画している。
|