研究課題/領域番号 |
20K03036
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研究機関 | 福岡女学院大学 |
研究代表者 |
松崎 保弘 福岡女学院大学, 人間関係学部, 教授 (70551745)
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研究分担者 |
山之内 幹 南九州大学, 人間発達学部, 准教授 (00866494)
城間 園子 琉球大学, 教育学研究科, 准教授 (30782346)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | チームティーチング / 特別支援学校 / 教師間インターラクション |
研究実績の概要 |
知的障害者を教育する特別支援学校(以下、支援学校とする)の授業はチームティーチング(以下、T・Tとする)で行われることが多い。そのような授業を効果的に進めるには教師間で上手く共同行為を行う必要がある。この共同行為に必要な教師間インターラクションの様相を明らかにし、支援学校の効果的な授業について考察することを目的とした。 授業内容は対象校の全てがT・Tで行っている朝の会に限定し、10学級の授業を記録した。授業記録は教室の4隅と後方に設置しているビデオカメラで行った。その映像記録とトランスクリプトした会話記録に基づき、教師間インターラクションの評価を行った。 主担当教師(以下、MTとする)は授業の進行を主に担当するため、授業の進捗にあわせて副担当教師(以下、STとする)に何らかのサインを送ることが予想された。しかし、実際の授業場面でMTからSTにサインが送られることは少なく、児童の個別対応が必要な場合に限られていた。 一方、STはMTの行動に同期した行動やMTによる質問等の再確認行動を頻繁に示した。また、ST間のサインは少なかったが、STの個別指導が必要となった場面で、他のSTが速やかに他の児童の指導・介助を行うことが頻繁に観察された。さらに、支援学校勤務が比較的長い教師がSTである場合、児童の個別指導等だけでなく、MTの授業展開を修正・補完する場面があった。 以上、支援学校のT・TにおけるSTの役割の多様さと重要性が明確になった。また、教師のキャリアとT・Tにおける教師行動の関連についてさらに分析する必要性が生じたと考える。一方で、今回の授業「朝の会」はルーチンワークとして実施されているため、教師間インターラクションの必要性がやや低いことが予想された。今後、新奇場面が頻発することが予想される他の教科等指導におけるインターラクションの様相を調べる必要があると考える。
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