研究課題/領域番号 |
20K03037
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
青木 高光 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 情報・支援部, 主任研究員 (40846458)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 3Dプリンター / 教材データベース / 特別支援教育 / 多様な障害種 |
研究実績の概要 |
以下の通り研究活動を実施した。 (1) 3Dデータベース閲覧用アプリの開発:前年度の予備調査で作成した、タブレット端末で自作の3Dデータを登録・共有・閲覧できるアプリに必要な基本機能と、それを実現するための仕様案を元に、開発の検討を進めた。検討の結果現時点では仕様の実現が予算面からも、システムの長期的な維持の面からも困難であるとの結論に至った。そこで計画を一部変更し、既存のwebサービス(https://sketchfab.com)および、NASを用いたデータ共有を併用することで、データベースの新規作成の代替とすることとした。 (2)3D教材データの作成:前年度に引き続き、様々な障害種・困難点に対応した教材教具のSTLデータを研究協力者と共に作成した。それにより音声表出型コミュニケーションエイドの新デザイン4種、書字補助教材2種、計算補助用教材1種、自立課題用プットイン教材3種、算数における図形作成用補助具2種の計12種を追加した。 (3) LiDARセンサーを用いた既存自作教材の3Dモデル化のテスト:新たに導入した新規タブレット端末に搭載されているLiDARセンサーと、近年急速に開発公開が進んでいる3Dスキャンソフトウェアを用いて、既存の自作教材教具の3Dスキャンのテストを行った。そのデータの作成と共有方法について、具体的な手順をまとめ、同時にスキャンモデルの精度についての評価検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由 当初の計画では、3Dプリンターを配備した研究協力校に対象校を直接訪問しての共同作業や調査を行う予定であったが、昨年度に引き続き、コロナウイルス感染予防による都道府県を越えた移動の制限などにより、各協力者による3Dモデルの作成・共有、検討などの研究活動が実施不可能であった。また、海外の学会に参加して最新の知見を取り入れるなどの研究活動も行うことができなかった。また、 3Dデータベース閲覧用アプリの開発に関しても大幅な見直しを行ったため、研究活動全体としては進捗に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は3Dデータベース閲覧用アプリの開発の代替として準備したwebサービスおよび、NASによる簡易データベースの構築とデータ登録を進める予定である。具体的には①研究協力校によるデータの共有と活用を進める。②LiDARセンサーを用いた既存自作教材の3Dモデル化、共有を進める。 全体の進行が遅れているので、2022年度は実際にシステム及び教材の活用を進めながら、年度後半にその成果の取りまとめを同時進行で行う。学校訪問は難しいと予想されるので、適宜映像記録の提供の依頼や、遠隔によるインタビューを行うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に、3Dデータベースアプリケーションを開発する計画であったが、検討の結果、想定仕様による開発が困難であるとの結論に至った。そのため、アプリケーション開発の外部委託から、既存のWebサービス及びNASシステムによる独自運用に変更したため、未使用額が生じた。次年度はNASの運用に伴う参考資料の導入が必要となるため、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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