1年目~3年目までに、全国の知的障害特別支援学校を対象としたアンケート調査により、交流及び共同学習の実態を明らかにした。また、交流及び共同学習における学習効果と自己評価について、知的障害児を対象とした継続的な面接調査などを通して、明らかにした。特に、交流及び共同学習の活動内容と学習効果、さらには自己評価との関係について検討を行い、知的発達水準や語彙能力などとの関係について分析した。その結果、交流及び共同学習を通して、知的障害児は概ね肯定的な自己評価を行っており、オンラインでの活動に対しても一定程度満足していることが示された。加えて、1~3年目の期間は、コロナ禍ということもあり、コロナ禍での影響なども調査研究を通して検討を行い、一部研究成果について論文での研究成果の公開や学会発表などを行ってきた。 最終年度では、関東地域の小学校特別支援学級1225校に対して、昨年度実施をした交流及び共同学習に関するアンケート調査について、分析を行った。その結果、コロナ禍における交流及び共同学習に対する意識については、経験年数による違いはないこと、コロナ禍における支援の工夫としては、オンラインによる交流を通して、一つの作品を作り上げるといった実践などが示されていた。また、コロナ禍における有意義な取り組みとして、オンラインにより、移動や準備の負担軽減につながることなどが示された。これらの調査結果について、日本特殊教育学会にてポスター発表を行った。 また、知的障害のある生徒と高校生との交流及び共同学習に関する学習評価と自己評価についても分析を行い、対象児の知的発達水準との関係と自己評価の状況などを明らかにした。同時に、知的障害児の自己評価に関する先行研究の検討などから、学習場面などにおける自己評価の支援の在り方についてまとめ、日本特殊教育学会の自主シンポジウムにおいて話題提供を行った。
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