研究課題/領域番号 |
20K03045
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
牛山 道雄 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (90397836)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 眼球運動 / 不器用 / 感覚機能 / 手指機能 / 認知特性 |
研究実績の概要 |
大学生20名(男性10名,女性10名)に対して,1)手指機能測定,2)認知特性測定,3)感覚機能測定,4)視機能(眼球運動)測定の4つの測定を実施し,小学生への本実施に向けた予備調査を実施した。 1)手指機能測定:打叩度数計(竹井機器製)を用いて,20秒間の最大タッピング数を測定した(敏捷性の評価)。また,電子メトロノームの2Hz及び4Hの音刺激に合わせてタッピングを行う課題も実施し,SuperLab(Cedrus社製)を用いてタッピング間隔を測定・記録した(安定性の評価)。安定性の指標として変動制係数(タッピング回数の標準偏差/タッピング回数の平均値)を算出した。2)認知特性測定:日本版自閉症スペクトラム指数成人用(三京房製)を用いて,対象者の社会的スキル,注意の切り替え,細部への関心,コミュニケーション,想像力の5つの認知特性を評価し集計した。3)感覚機能測定:日本版感覚プロファイル青年成人版(日本文化科学者製)を用いて,感覚機能(低登録,感覚探究,感覚過敏,感覚回避)を評価し集計した。4)視機能(眼球運動)測定:視線追従装置(Tobii社製)を用いて,眼球運動の敏捷性と正確性を測定した。対象者はPC画面に表示される指定されたチェックポイントを20秒間連続して周回することが求められた。周回の種類は,水平条件,円条件,対角線条件の3条件から構成された。測定後,周回回数(敏捷性)および周回コース内の停留時間(正確性)を解析ソフトTobiiProを用いて算出した。 1)から4)の測定値を測定結果を大学生版のデータベースとしてまとめた。 なお,日本学術振興会が提供する研究倫理eラーニングを受講し修了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染の影響により,研究協力の小学校を確保できていない状況にあるため,小学生の測定が遅れている。 また,当初眼球運動を測定する予定であった既存の視線追従装置の故障が生じ,新たに測定システムを再構築する必要が生じたため,大学生を対象とした予備調査のスケジュールが遅延してしまったことも,研究進捗の遅れの理由である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題に協力いただける学校を引き続き探していく。その一方で,個別に協力可能な小学生と保護者を募集していくことも検討していく。予備調査で収集された大学生の手指機能・視機能・感覚機能・認知特性の分析結果と小学生を対象とした測定結果から,簡易版視機能スクリーニングチェックリストの項目を選定していく。あるいは,既存のチェックリストの項目との関連を検討し,チェックリストの基準関連妥当性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により,学会が対面実施されず旅費を執行することができなかったため,次年度使用額が発生した。今後は,感染症の状況にもよるが,対面実施の学会に参加し,情報取集および成果発表に予算を使用していく予定である。また,各種測定チェックリスト(児童版)の購入,測定・入力補助に対して予算執行していく。
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