近年、無線補聴援助システムを用い、通常学級で学ぶ聴覚障害児が増加している。同システムは、教師が送信機を通じ、音声を聴覚補償機器に無線送信するものである。理論上は、教師と児童・生徒間の距離の影響を受けず、常に教室内の騒音よりも十分に大きな語音を聞き取ることが可能となる。しかし、国内では、同システムの評価法が確立されておらず、効果や課題について不明な点が少なくない状況にあり、臨床的な評価手法の開発が要請されている。本研究では、同システムの適応について、雑音負荷時語音聴力検査と質問紙を用いた主観的評価を組み合わせた評価手法を開発した。本研究により、通常学級での同システムの使用が前進すると考えられる。
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