研究課題/領域番号 |
20K03056
|
研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
川崎 友絵 同志社女子大学, 看護学部, 専任講師 (10321069)
|
研究分担者 |
和泉 美枝 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (10552268)
眞鍋 えみ子 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (30269774)
郷間 英世 姫路大学, 看護学部, 教授 (40234968)
中島 栄之介 奈良学園大学, 人間教育学部, 教授 (60848480)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 心疾患児 / 学校 / 連携 / 多職種 |
研究実績の概要 |
本研究は学校における心疾患児の安全と心身の成長発達を支えるため、学校の教師とシームレスに連携できる多職種ネットワークシステム構築の基盤を築くことを目的とする。2021年度の目的は、心疾患児の学校生活の実態および教育と医療の連携、心疾患児を支える多職種連携の実態とニーズを明らかにすることであった。2021年3月~6月に保護者会支部の協力のもと、近畿圏の学童期以降の心疾患児を持つ保護者を対象に質問紙調査を実施した。結果、12名中11名(91.7%)が学童期に地域の小学校に在籍していた。医療やケアの状況は、11名中内服薬9名(81.8%)、酸素療法、心臓ペースメーカー各2名(18.2%)等を行っていた。心臓以外の病気や障がいが「ある」7名(58.3%)、成長発達で気になることが「ある」8名(66.7%)であった。教育と医療の連携は「少しとれている」7名(58.3%)、「どちらでもない」4名(33.3%)、「とれていない」1名(8.3%)で、教師以外に相談したい専門職が「いる」10名(83.3%)、職種は医師、心理士、看護師、理学療法士等であった。2022年2月~3月には、保護者会本部協力のもと全国調査を実施し分析を進めている。一方で、医療サイドからみた学校と多職種連携の実際、学校生活を送る上で多職種連携が効果的であった事等について明らかにするため、小児を対象とした訪問看護師へのインタビュー調査の計画をしていたが、新型コロナウイルスの流行による医療現場の逼迫状況や感染予防を考慮し、2021年度は調査の実施を延期した。また、学校の教師を対象とした心疾患児の健康観察や発達への理解を深めることを目的としたセミナーの実施についても、実践的な内容であるため延期した。今後は、対面ではない遠隔でのインタビュー調査や研修実施の実施方法および内容を検討し、2022年以降に実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行のため、医療現場の逼迫が続いており、小児の訪問看護師への時間的な負担や心理状況、感染予防を考慮したため、調査協力の依頼には至らず、調査の実施が予定通りに進まなかった。また、教師を対象とした心疾患児の健康観察や発達への理解を深めるためのセミナーの開催についても、新型コロナウイルスの感染予防の観点から実施を見送っている。そのため、研究計画の変更を余儀なくされ進行がやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
心疾患児の学校生活の実態および教育と医療の連携、心疾患児を支える多職種連携の実態とニーズに関する全国調査の結果の分析を進める。そして同時に、保護者、医療と教師・学校との連携が円滑に行えた内容等を集めた小冊子等を作成し、対象者(保護者)へ還元することを計画している。さらに、新型コロナウイルスの流行の影響を受け中断している教師を対象とした心疾患児の理解を深めるためのセミナーの開催については、新型コロナウイルスの流行の状況をみて、実施方法を遠隔で行うことを検討しており、内容について吟味していくことが課題となる。したがって、2022年度は、全国調査の分析と対象者(保護者)への還元を優先させる。小児の訪問看護師へのインタビュー調査については、医療現場の逼迫、新型コロナウイルスへの対応の状況をみながら、実施する事業所・対象者との調整を行い、具体的な調査実施の方法を検討し、研究を進めることを計画している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
心疾患児を持つ保護者を対象とした全国調査の分析、成果物(小冊子等)の対象者(保護者)への還元、研究結果の発表、教師を対象としたセミナー開催、小児の訪問看護師へのインタビュー調査の準備や実施に関わる物品費、旅費、人件費や謝金、成果物の作成のための費用などに使用する予定である。
|