研究課題/領域番号 |
20K03056
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
川崎 友絵 同志社女子大学, 看護学部, 専任講師 (10321069)
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研究分担者 |
和泉 美枝 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (10552268)
眞鍋 えみ子 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (30269774)
郷間 英世 姫路大学, 看護学部, 教授 (40234968)
中島 栄之介 奈良学園大学, 人間教育学部, 教授 (60848480)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 心疾患児 / 学校 / 連携 / 多職種 |
研究実績の概要 |
本研究は学校における心疾患児の安全と心身の成長発達を支えるため、学校の教師とシームレスに連携できる多職種ネットワークシステム構築の基盤を築くことを目的とする。2022年度の目的は、心疾患児の学校生活の実態および教育と医療の連携、心疾患児を支える多職種連携のニーズを明らかにし、成果を研究対象者(保護者)に返すことであった。2021年3月~2022年3月に、学童期以降の心疾患児を持つ保護者に質問紙調査を実施した。分析対象者71名の年代は40代が約5割、50代が約3割、母親が約9割で、子どもの調査時の年齢は6~40歳、12歳以下は約4割であった。心疾患児は入院や手術を繰り返し経験し、小学校時に約9割が内服薬を継続していた。教育と医療の連携は70名中、十分・少しとれている、あまり・とれていないがそれぞれ約3割、どちらともいえない約4割、教師以外の相談したい専門職がいるは70名中約6割、いないは約3割、相談したい専門職(複数回答)は42名中医師が約7割、心理士が約5割、その他看護師、ケースワーカー、理学療法士、薬剤師、作業療法士などであった。さらに、学校の教師と保護者の連携の現状や学校の既存のシステムを活用した多職種連携の流れなどをまとめた小冊子作成に取り組んだ。加えて、教師を対象とした心疾患児への理解を深めることを目的としたセミナー実施に向けて、2023年3月に所属大学の倫理審査委員会で承認を得た。セミナー実施後、セミナーの評価および研究者が構築中の多職種の研究会への参加者を募集する予定である。また、学校での多職種連携の実態を把握するため、小児の訪問看護師へのインタビュー調査を2023年に行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行下ではあったが、質問紙調査は計画していた通り行い、研究成果の一部を学会で発表した。しかし、小冊子は作成途中であり、また心疾患児への理解を深めることを目的とした教師対象のセミナーの実施や小児の訪問看護師へのインタビュー調査の実施が遅れている。今後、小冊子を早急に作成し、セミナーの実施や小児の訪問看護師へのインタビュー調査を行う。
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今後の研究の推進方策 |
心疾患児の学校生活の実態および教育と医療の連携、心疾患児を支える多職種連携のニーズに関する全国調査の分析結果を学会で発表する。また、学校の教師と保護者の連携の現状や、学校の既存のシステムを活用した多職種連携の流れなどをまとめた小冊子の完成を急ぎ、2023年度中に研究対象者(保護者)へ配布することを目指す。同時に教師を対象とした心疾患児の理解を深めるためのセミナーの開催については、対面または遠隔とのハイブリットで実施し、セミナーについて評価する。また、セミナー受講者から多職種の研究会への参加者を募集する。保護者には、小冊子を参考にし既存の学校のネットワークを活用した多職種連携を促す。さらに、多職種の一員である小児の訪問看護師へのインタビュー調査については、倫理審査に申請し実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行の影響で研究の進行が遅れており、次年度使用額が生じた。心疾患児を持つ保護者を対象とした全国調査の学会発表に関わる経費、成果物(小冊子等)を対象者(保護者)へ配布するための経費、教師を対象としたセミナー開催、小児の訪問看護師へのインタビュー調査の準備や実施に関わる経費として、物品費、人件費や謝金、印刷、郵送のための費用、旅費などに使用する予定である。
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