研究課題/領域番号 |
20K03065
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡村 吉永 山口大学, 教育学部, 教授 (10204025)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | デジタルファブリケーション / オーダーメイド型教材開発 / フェイスシールド / 3Dプリンター |
研究実績の概要 |
デジタルファブリケーション技術を用いた学校教育への貢献として、新型コロナウィルス感染症による学校現場への影響が重大となったことを踏まえ、本年度は学校教育を支援するための方策に取り組んだ。 学校教育においては、幼児や低学年児童、あるいは外国語教育など、教員ならびに子どもの表情が見えることが望ましい場面が少なくない。こうした状況を受けて、学校と連携しながら教育現場で用いるためのフェイスシールドの開発を行った。 学校教員と協働した試作開発の結果、従来にないタイプのフェイスシールドが完成し、特許申請中となった。このフェイスシールドの特徴は、頚部にしっかり固定できる点にあり、顎の下から顔部を覆うことができるため、学校教員が教壇から話す際に、子どもたちへ唾等を飛ばすことを軽減できる効果が期待できる。また、熱が籠りにくい構造であるため、シールド面が曇りにくいなどの利点もみられた。 さらに研究では、いくつか試作したフェイスシールドのデータを学校に送り、現地に設置した3Dプリンターで製作することを試みた。今後、学校現場へも様々なデジタル加工機が普及されることが予想されており、その実施方法や課題を検討する手がかりを得ることができたと考える。 なお、こうしたデジタルファブリケーション技術を学校教育に取り入れるにあたっては、その有用性を実感できるための教材や利用方法の検討が必要なことから、関係する小中学校ならびに特別支援学校との連携についても準備を進めた。さらに、実際に機器を運用する人材育成として、教員志望の大学生を対象にインストラクター養成に関する検討に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症の状況を受けて、研究計画の変更を行ったが、結果的にデジタルファブリケーション技術に対する学校の理解や期待が進み、研究推進のための基盤を作ることができた。 コロナ禍における学校の教育活動を支援するために開発したフェイスシールドについても、新規性があり特許申請を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画で初年度に配置する予定であったレーザー加工機を設置し、学校での教材開発などにどう生かせるのかについて優先的に検討する。また、デジタルファブリケーション技術を用いたものつくりに対する教員や学習者の意識についても探っていきたい。 本年度内に、主なデジタルファブリケーション機器を整備し、それぞれの機器が有機的に連携することで、その効果を一層発揮できる方法等についても検討を行いたい。
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