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2021 年度 実施状況報告書

デジタルファブリケーション技術を生かしたオーダーメイド型学習支援ツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K03065
研究機関山口大学

研究代表者

岡村 吉永  山口大学, 教育学部, 教授 (10204025)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードデジタルファブリケーション / 教育利用 / オーダーメイド型教材 / 特別支援学校
研究実績の概要

デジタルファブリケーションの教育利用として、特別支援学校と連携した基礎的研究を実施した。まず、デジタルファブリケーションの直接的な利用として、障害ある学習者にとっては、巧緻性がもとめられる難易度の高い作業の一部をカッティングマシーンやレーザーカッタ―で代替することを検討した。一例として、細かな描画化必要な作業(製作品に貼付する顔シールで直径約15㎜の円形状)において、まず作業しやすい十分大きな画面に絵を描き、これをシール用紙に縮小コピーし、カッティングマシーンで輪郭線を切ることを試みた。この工夫は、特別支援学校の教員からの評価が特に高く、学習効果等についてさらに明らかにしていくべきと考えている。
つぎに、3Dプリンターやレーザー加工機の利点を生かした教材の試作について、研究の方向性が得られた。造形物の大きさは、作品の印象に与える影響が大きい一方、作業性や費用など教材として求められる要素を満たす必要がある。同じ形状のモノを大きさだけ変えて造形したり、造形の一部を変更して造形したりすることが可能なデジタルファブリケーションはこの点の利点さがあり、教材開発時に有効なことがわかった。また、3Dプリンターでの造形物を型取りし造形用の雌型の作成も行った。デジタルファブリケーションの間接利用といえるもので、今後の活用が期待される。
この関連として、造形物を型取りし、雌型(粘土型)を作るための簡易型真空成型機の試作も行った。研究では、装置摺動部などの構成部品の多くを3Dプリンターとレーザーカッターで製作することで、製作期間や費用を縮減できることがわかった。さらに検討が必要であるが、デジタルファブリケーションをマザーマシンとして教育に生かす有用性に気づくことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度までに計画していた基盤整備が完了し、その試行も兼ねた教材開発を特別支援学校と連携し、実施することができた。デジタルファブリケーションの特性を生かしたオーダーメイド型教材の開発に関しては、その基礎的な手法や課題などが明らかになりつつある。
ただし、新型コロナ感染症の影響で、学校での取り組みが必要最小限に限られたことから、実施時における詳細な観察、あるいは意識調査などは十分に行えていない。新型コロナの影響は、次年度以降も継続するとみられるため、引き続き柔軟な対応をしていきたい。

今後の研究の推進方策

デジタルファブリケーションの特徴の一つは、加工データーとこれに相応する機械さえあれば、いつでも、どこでも、誰にでも、ほぼ同じ形状のモノを作成できる点にある。
GIGAスクールによって学校のIT環境が急速に充実しつつあるなか、小学生などが直接、間接的にデジタルファブリケーションに触れ、活用する教材さらには教育システムについても検討を進めたい

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] デジタルファブリケーションを活用した教材開発支援2021

    • 著者名/発表者名
      岡村 吉永、石川雅代
    • 雑誌名

      山口大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要

      巻: 53 ページ: 147-152

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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