研究課題/領域番号 |
20K03070
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
岡本 勝 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (30453210)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | モーションデバイス / VR / 化学教育 / 体験学習 / 教育工学 |
研究実績の概要 |
手の動作を赤外線カメラを用いて自動認識し、その結果を用いて仮想空間内の実験器具を操作し実験を行っていけるインタフェースのプロトタイプシステムを実装した.また、そのインタフェースを使って、従来手法で実現した仮想実験を行える学習支援システムを開発し操作可能性の検証を行った.このインタフェースを使った学習支援手法の開発の中で、従来手法では検討していなかった酸による溶解実験の実現可能性も検討し,新たに仮想環境を実現した。一方で手を認識できる空間内にすべての実験器具をそろえることが困難であることから、実際に実空間で実験を行う際に必要な試薬の入った器具を取ってくる行為を仮想空間内で行えないため、その行為に代わる試薬選択機能を検討しプロトタイプとして実装した。 これらの検討および開発実装により実際の動作を取り込んだユーザーインタフェースの可能性が確認できた。一方で、赤外線カメラの特性上、実現不可能となる動作についてリストアップを行いその操作が必要となる実験器具操作に一対一に対応付けることができ、かつユーザーから見て違和感の少ないモーションの検討も行った。 また、一般的なWebカメラやスマートフォンのカメラを用いた人体姿勢認識の利用可能性の検討のため、上腕や体感姿勢の認識のインタフェースとしての利用可能性も検証した。この手法を上記で実現した手の動作を用いたインタフェースと併用していくことによって、ここまでの開発では比較的狭い空間での操作のみ認識できていた状況に対してより広大な空間を実験空間として利用できる可能背も広がる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
被験者による評価実験が困難であったため、プロトタイプシステムの操作性評価および額数効果の検証が十分に行えなかった.そのため現状システムが限られた人員での評価のみとなっているため、汎用的な評価検証を伴わない実装になっている可能性もあるため。同様にシステムで用いている仮想空間についてもより詳細な評価を行っていく必要があると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
現在までに実装できたインタフェースの操作性評価を行っていく。その中で実際の実験器具の操作性と乖離する部分について再検証を行いより実際の実験に近い操作性を有したインタフェースの可能性を探っていく。さらにHMDを併用する手法について検討し、VR空間での操作を前提としたフレームワークの確立を図っていく。また、理論化学実験への拡張として現在の定性的実験を前提とした仮想空間を定量的な実験も行えるようシミュレーション手法を拡張していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
出張が困難となる状況および発表もオンラインであったため出張費が不要となり、物品購入費として利用したが、これ以上の購入は不要不急なものの購入となるため使用しなかった.一方で2020年度に実現できなかった被験者実験を2021年度にはより多く行う必要があるため、そのための諸経費に利用予定である。
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