研究課題/領域番号 |
20K03072
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研究機関 | 江戸川大学 |
研究代表者 |
玉田 和恵 江戸川大学, メディアコミュニケーション学部, 教授 (20299902)
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研究分担者 |
松尾 由美 江戸川大学, メディアコミュニケーション学部, 講師 (50711628)
松田 稔樹 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (60173845)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 情報モラル / 3種の知識 / 問題解決の縦糸・横糸モデル / 指導法開発 / 発達段階 / 教員研修 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,発達段階に応じた系統的な情報モラル教育指導法を開発する.特に,小学校段階では道徳教育との連携を図るために,日常モラルと共通の枠組みで扱える指導法が,中学校段階以降は問題解決の枠組みの中でトレードオフ問題として捉えさせる指導法が必要だと考える. 本年度の実績としては、「3種の知識による情報モラル指導法」と「問題解決の縦糸・横糸モデル」を活用して,小学校段階から問題解決的な指導ができる指導法を開発するため,児童・生徒の発達段階に応じてどのような提示方法が有効かを検討した. (1)本指導法は,これまで高校生を対象とした指導効果をある程度検証しているため,これまでの成果を基に高校生を対象とした指導法を概ね確立した.(2)確立した高校生向けの指導法の理解を促すために,教員研修用教材の試作版を開発すした. (3)(2)を活用して,小・中学校の教員を対象とした研修で,本指導法の本質的な理解を促す.その上で,小学校低学年,中学年,高学年,中学生の発達段階で理解できる内容・要素と提示方法を検討するワークショップを数回行った.(4)東京都の小学校・桑名市立の小・中学校の教員と連携して指導法を詳細に検討し,実際に小学生・中学生を対象とした実践を行い,児童・生徒がどのような反応をするか,どのような指導が可能か,どのような効果があるかを質問紙・観察・インタビューなどを通じて検討した. (5)上記の検討結果から,提示方法,提示順序,指導教材を検討し,小・中学生を対象とした指導法を開発している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的である指導法開発を以下の通り実践しているため。
・「3種の知識による情報モラル指導法」と「問題解決の縦糸・横糸モデル」を活用して,小学校段階から問題解決的な指導ができる指導法を開発するため,児童・生徒の発達段階に応じてどのような提示方法が有効かを検討している. ・実践結果から,提示方法,提示順序,指導教材を検討し,小・中学生を対象とした指導法を開発し、教員研修方法についても検証している.
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今後の研究の推進方策 |
「3種の知識による情報モラル指導法」と「問題解決の縦糸・横糸モデル」を活用して,小学校段階から情報モラルについて問題解決的な指導をするための発達段階や地域・状況に応じた提示教材を開発する. (1)これまでに開発した指導法を基に,発達段階ごとに特に重視すべき内容を明確化するとともに,地域や機器活用など児童・生徒の状況に応じた題材を検討する.教材の内容や構成方法を検討し,モデル化する.(2)静止画,動画,バーチャルリアリティによるシミュレーションなどの技法を用いた事例教材を試作・実装し,より理解を促進する視覚化の手法を検討し,評価・改善する.(3)首都圏の小学校・中学校の教員と連携して指導法を詳細に検討し,実際に小学生・中学生を対象とした実践を行い,児童・生徒がどのような反応をするかを,どのような効果があるかを質問紙・観察・インタビューなどを通じて検討し,評価・改善する. (エ)各自治体(東京都,千葉県,熊本県,福岡県,桑名市,仙台市)の教育委員会と連携して,広く実践を行い,教材の効果を検証する(研究代表者 玉田).
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はコロナの影響で地方での実践や学会発表を行うことが困難であった。そのため旅費として計上していた費用が残る結果となった。次年度以降は、地方での実践の可能性を追求するとともに、遠隔で授業実践ができる方法を検討する。そのためには、e-learning型のゲーミング教材を運用するために専用のサーバとしてのコンピュータや教材開発費,授業データの蓄積のためにハードディスク等の記憶メディアなどが必要となる。
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