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2021 年度 実施状況報告書

小学校プログラミング教育のための学習履歴に基づくリアルタイム授業支援システム

研究課題

研究課題/領域番号 20K03082
研究機関会津大学短期大学部

研究代表者

中澤 真  会津大学短期大学部, 産業情報学科, 教授 (40288014)

研究分担者 梅澤 克之  湘南工科大学, 工学部, 教授 (20780282)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードプログラミング教育 / 学習履歴 / 学習分析 / 初等教育 / 教育支援システム
研究実績の概要

本研究の目的は,初等教育向けプログラミング教育において,サポートスタッフが十分手配できない状況下の教員のためのリアルタイム授業支援システムを開発し,その評価を行うことである.具体的には,ビジュアルプログラミング言語Scratchを用いた授業において,児童のプログラム作成過程の学習履歴をすべて記録し,この情報を学習分析することにより「学習者の進捗状況」「つまずいている学習者およびつまずき箇所」「クラス全体のプログラムの誤りの傾向」をリアルタイムに可視化し,これを教員側にフィードバックする機能を持つシステムである.これを実現するために,構文解析のような大量のバックトラッキングを行うことなく,ビジュアルプログラミングで用いるプログラムブロックをグルーピングしたシンプルな構成要素を単位としてプログラムの差異や特徴を分析し,特異な状態な児童の抽出,正解プログラムとの差異からクラス全体の誤りの傾向を提示できるシステムの開発に取り組んだ.この中で,新型コロナウイルス感染拡大の影響で小学校での実証実験が一部しかできなかったため,プロトタイプシステムに関して小学校現場教員からのフィードバックと,それに伴うシステムの基本構成や機能の見直しに取り組んだ.特に,個々の学習者の進捗状況やクラス全体の傾向に関する情報の提示方法に注力した.この中で,特異な状態な児童を示すだけでなく,作成しているプログラムの差異・逸脱部分を効率よく教員側が把握できる機構の開発にも取り組んだ.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルスの感染拡大により,小学校への立ち入りが制限された関係で実証実験の実施が一部にとどまり,構築したシステムの検証やデータの分析が十分にできず,システムやアルゴリズムの開発と,現場教員との打ち合わせやヒアリングのみに専念せざるを得なかった.

今後の研究の推進方策

教育現場における新型コロナへの対応方法も変わってきたことから,連携している会津若松市内の小学校における実証実験を再開し,実際の教育現場における開発システムの実証実験に基づき,構成要素分析処理・差分解析機構について,アルゴリズムの評価・検証をする.とくに,課題が難しくて逸脱しているケースと,簡単すぎて独自の作業をしているケースとを判別精度について詳細に分析し,必要に応じて精度の改善を図る.
また,プログラムの命令ブロックの入れ替えや削除といった修正作業の時系列データを文脈的に捉えて,そのパターンを分析することで学習者の状態を推定する修正遷移パターン抽出機能に基づき,つまずいている学習者やそのつまずき箇所の抽出精度について同じく実証実験で明らかにする.悩んでいる学習者の編集作業の特徴パターン抽出は,統計的なアプローチや機械学習的なアプローチを用いる.
新型コロナの影響で進捗が遅れた部分については,研究機関を延長申請することによって補う予定である.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で,小学校への立ち入りが制限されたため実証実験が一部しか実施できなかった.このため,実証実験に関わる機材の購入を見合わせたこと,また旅費などを執行できなことが要因である.次年度ではこれら実証実験にかかわる機器の購入ならびに,遅れている実験実施のサポートのための謝金,そして成果発表のための旅費を支出する予定である.

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公開日: 2022-12-28  

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