研究課題/領域番号 |
20K03093
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
恒川 雅典 滋賀大学, 教育学部, 教授 (20403131)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 物理教育 |
研究実績の概要 |
本研究では,物理学習者の作図技能を向上させることによって,物理法則の本質的な理解を促進させる学習カリキュラムを開発することを目的としている。ICT機器を活用することによって,物理学習者が実感を伴って物理法則を理解できるような効果的な学習カリキュラムを開発し実践するとともに,その検証をすすめる。実感を伴った理解のために,さまざまな実験を学習カリキュラムにとりいれるとともに,個人の学習到達度に幅広く対応するためにICTと学習管理システムを活用してオンデマンド学習環境を整備することも行ってきた。向上を目指す作図技能として,特に数学的なグラフの作図と物体の運動の様子の作図に着目して研究を進めてきた。数学的なグラフの作図技能の向上については,簡易で動きの少ない実験テーマを用意した。実験を通して収集したデータをグラフ化し,物理量の変化を可視化したものと物理現象を丁寧に関連付けながら自分のペースで学習を進めることができるような学習カリキュラムの開発・実践を進めてきた。物体の運動の作図技能の向上については,簡易ではあるものの動きの速い実験を扱うときにはICT機器でデータ収集・整理し,コマ送りで運動を追いかけるなど,時間をかけて観察することができるように配慮した。このように物理法則を可視化するプロセスを組み込んだ学習カリキュラムを開発・実践してきた。数学的なグラフの作図技能向上,物体の運動の作図技能向上ともに,事前課題を用意しオンデマンド学習に対応するようにすすめてきた。これにより個人の学習到達度に合わせて取り組むことが可能になっている。これらの学習カリキュラムを実践し,得られた結果の一部をまとめて学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの主な実施内容は,上述のような,数学的なグラフの作図と物体の運動の作図に関する学習カリキュラムにおける課題の開発と,それを用いた実践によるデータの収集と分析である。現時点では,感染症拡大防止対策に伴い教育環境に大きな変化が生じている。計画通りの実践が困難な状況にあるが,オンライン・オンデマンド授業に対応するように研究計画を修正しながら実施を進めている。このような状況のもとで,開発した課題において,学習者の作図状況を把握し,学習者の既有知識と技能をデータとして収集するとともに学会発表も行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後研究を進めていく上で実施すべき計画の一つとして,より詳細な学習者のデータを収集するために,既存の結果を分析し課題を最適化するとともに,個人の学習到達度の違いを踏まえ,学習の学習前後における作図技能や理解度の差を分析する手法の検討をすすめる。これまで開発してきた教材を改善し多面的な分析が可能になる要素を取り込むように発展させる予定である。データの効率的収集のために,新たな教材を学習管理システムと連携させようとしている。現時点では,感染症拡大防止対策に伴い教育環境に大きな変化が生じている。計画通りの実践が困難な状況にあるが,オンライン・オンデマンド授業に対応するように研究計画を修正し,実施する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現時点では、感染症拡大防止対策に伴い教育環境に大きな変化が生じているため。計画通りの実践が困難な状況にあるが、オンライン・オンデマンド授業に対応するように研究計画を修正し、実施する計画である。
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