●人体モデル:写真測量技術を応用したデジタルカメラによる細部の詳細よりもトラッキングロスの少ないロバスト性の高い深度センサー計測方法が今回目的に適しているという結果から3DG典型人体モデルを再作成した。 ●モーションライブラリー構築 AIによる人体挙動自動認識技術を活用し人体挙動を標本化した。スポーツ・運動など高周期成分が多く含まれる動作や日常的動作など満遍なく帯域分布する動作、踊りやパントマイムなど意図された周期成分が含まれる動作など人体が取り得る物理的に可能な動きを動画収録し、それらを解析して関節の空間位置と局所的角度情報をFBX取得後人体モデルへ割り当てした。 ●VR閲覧システムの環境構築:標本化された人体モデル形状から典型人体モデルを作成後、モーションを適用しHMD上にて3DCGによるVR180視環境を構築した。さらに、VR酔い対策およびHMD不要の2Dによる閲覧に対応した。 ●VR視覚教材による学習環境の構成と適用 状況論的アプローチを援用し、3DCG によって構成されたVR視覚教材を情報呈示することにより、反復形式によらない方法の有効性を検証した。被験者に対してVR視覚教材の提示前と提示後の対照実験を行った。動作は、歩行、疾走、踊りを選定した。被験者はそれらの動作について簡易的なフレームバイフレームのアニメーション作画を行った。次いでHMD上から任意の視点、角度から動作の遷移状況を観察し、同様にして作画を行った。それらを比較し検討した結果、有意差が認められた。なお検定については対象が芸術表現に区分される絵図であるため統計的な定量的方法ではなく実験主催者による主観的な定性的な印象評価によるものである。最も大きな差異として認められた点は、人体挙動における時間的推移に連動する関節の回転と体幹の捻転表現である。この結果によりVR視覚教材の効果を確認することができた。
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