研究課題
本研究は、理学療法士および作業療法士(以下、療法士)養成の質の保証に向けて、若手療法士の臨床技能と臨床技能に影響を与える要因について明らかにすることを目的としている。一連の研究成果は、若手療法士の臨床技能向上に向けた効果的な教育手法の開発に貢献できると考える。効果的な療法士養成方法は、療法士と相対する対象者の直接的利益となることに加えて、日本全体のリハビリテーション医療の質的向上に欠かすことができない。また、基本となる教育手法が開発されることで、この分野のさらなる発展にもつながることも期待できる。従来から行われている療法士の卒後教育は、病院・施設または個人の自主性に委ねられていた。そのため、教育内容が標準化されていなかった。加えて、教育効果の判定指標も明らかにされていなかった。我々は、卒前と卒後の一貫した標準的な臨床技能教育が重要と考え、療法士学生を対象とした療法士版客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination; OSCE)を開発、実装を行っている。本研究は、大学と連携教育施設の若手療法士を対象に、臨床技能に関する療法士版OSCEを複数回実施する。得られた結果は、経験年数別・臨床技能別に経時的な得点変化を比較・分析する。さらに、OSCEの態度項目や技能項目ごとの細分析も行う。そして、経験年数や初期臨床技能がその後の臨床技能修得に及ぼす影響を明らかにする。令和3年度は、同一の若手療法士に対し、複数年にわたって定期的に療法士版OSCEを実施し、その得点の経時的な変化を分析した。これにより、若手療法士の臨床技能修得過程における変化のパターンを明らかにした。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Healthcare
巻: 11 ページ: 254~254
10.3390/healthcare11020254