研究課題/領域番号 |
20K03117
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
川俣 智路 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (80633487)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 学びのユニバーサルデザイン(UDL) / 主体的学習者 / 授業改善 / UDL実践者のための成長ルーブリック / 学習環境 / 実践研究 |
研究実績の概要 |
新潟県のUDLを学校全体で取り入れている小学校にを研究協力校として、研究者も参加して、学校全体でUDLのEngagementに関わる部分について実践した。 児童への質問紙は学級満足度と学習意欲に関するものを実施した。どちらも年に2回ほど実施し、学習意欲に関するものは結果を研修内で共有し、授業実践の振り返りの材料とした。また、 「UDL実践者の成長のルーブリック」によるUDL実践の進捗の把握は3回実施し、その変化について検討した。 またUDL実践をしている授業の様子を録画し、授業分析や研修などの振り返りに活用した。360°カメラと通常のビデオカメラを併用し、全教員の授業を定期的に録画した。録画データは授業の振り返りに活用し、また5分程度の長さに編集したものを教員、そして撮影協力した学級の児童と共有し、学び方の振り返りに活用した。 UDLに関する校内研修は11回実施した。理論研修の他に、UDL実践について振り返る研修を実施した。 いくつかのクラスでは児童が授業中に学習リソースを自分で考えて選択し活用していくような姿が見られるようになり、自主的学習態度や学習に対しての責任感が上昇した。しかし、教員の「UDL実践者のための成長ルーブリック」の結果にはばらつきが見られ、教員研修や授業検討、UDL実践の振り返りかたについて、さらなる改善が必要であることが示唆された。 今年度の研究成果として、UDLの特にEngagementに関わる部分の実践方法の開発、その効果の検討、UDLの定期的な教員研修の方法、児童自身が自らの学びを振り返る方法、が挙げられる。また、引き続きコロナ渦での研究となったため、オンラインによる授業視察や研修などの効果的な実施方法についても検討できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はオンラインを活用しながら、小学校にてUDL実践研究を実施し、半年間ではあるがデータ収集・分析をすることができている。引き続きのコロナ渦のためUDL実践校への視察等は難しい状況あったが、代替手段としてオンラインの学会や実践報告会に出席するなどした。学会報告などもオンライン等で実施した。以上の点から、、概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
上半期は今年度の成果を元にして、さらに研修計画などを再検討し、さらにUDL実践による主体的学習者育成の方法とその効果について検証したい。また、下半期ではこれまでの研究成果をまとめ、オンラインによるUDL実践公開セミナーの実施、UDL実践パッケージ使用方法、UDL実践方法についてウェブサイトベースで公開し、、成果報告シンポジウムの実施(インターネット中継を併用し広く成果報告する)をしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症のため、予定していた国内旅費、国外旅費、調査分析依頼のための謝金、学会参加費等が予定通り使用されず、その代替としてオンラインで授業視察や打ち合わせをするための機材を購入し、その結果残額が出たため今年度に繰り越した。
今年度は、可能な範囲で国内の小中高等学校とのアクションリサーチの実施による旅費の使用、国際学会並びに国内学会への現地、オンラインによる参加を予定している。また成果報告のためのウェブサイトを構築し、広く研究成果を還元し、オンラインによる成果報告セミナー等も実施した。
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