本研究の目的は、AI・ビッグデータ・IoTなどの「Society 5.0」を支える情報技術を体験的に理解可能なプログラミング学習を行うための支援ツールを開発し、その有効性を実証することである。 本年度は成果公開と教育現場での利活用を中心に研究活動を実施した。本研究の成果の一部は、高等教育機関発の革新的なラーニングテクノロジーを世に広めることを目的とした「ラーニングイノベーショングランプリ2022」で奨励賞を受賞した。また、ものづくり(メイカー)が成果を発表・共有する「Maker Faire Tokyo 2022」で研究成果のデモンストレーションを実施することで、研究開発したツールの広報活動を実施した。さらに、昨年度に試作したカリキュラムを更に改善し、プログラミング未経験の社会人と小学生を対象としたワークショップ(社会人対象:2022年9月から10月、小学生対象:2023年3月)を実施した。 本研究では研究課題を次のA・B・Cの3つに分割し、3年間の予定で実施してきた。 研究課題A)支援ツールの開発(1年目):開発を予定していた①クラウドサービス、②IoT・デジタルファブリケーション、③音声認識・テキスト認識・画像認識、④ビッグデータに関する機能のうち、②と③については実用レベルの支援ツールを開発することができた。 研究課題B)カリキュラム開発(2年目):支援ツールを利用したカリキュラムを開発し、ワークショップでの評価実験を行い、成果を論文として発表することができた。 研究課題C)実験授業の実施と評価・研究成果の公開(3年目):2年目から開始したワークショップでの支援ツールの利用を通じて、ツールとカリキュラムの評価を行った。また、コンテストやイベントの参加を通じて、広く研究成果を公開した。
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