研究課題/領域番号 |
20K03133
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
西 誠 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (00189250)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 数学的リテラシー / 教授法開発 / アクティブラーニング / 高大連携 / 学習指導要領 / 高大接続 |
研究実績の概要 |
本研究は、これまで申請者が取り組んできた「数理科目における新しい授業法の開発」,「高水準の数学的リテラシーの概念化とその教育の理論的基盤の構築」の研究を基盤として,教員志望者を対象として,深い学びを通して数学的リテラシー能力を向上させる授業を実践することのできる,教員養成系数学カリキュラムを開発する. 具体的には、さまざまな高校における現地調査をふまえ「数学リテラシー」習得のための授業実践の具体的事例としてまとめるとともに,深い学びに基づく授業実践を実践している高校,大学の調査を行う.また,高校教員との連携のもと授業実践も課題についても調査を行う.その上で,高校や大学の基礎で学習する「数学的リテラシー」習得のための新しい教育手法をデザインし,教職科目「数学科教育法」カリキュラムへの導入を試みる.そして,「数学的リテラシー」の育成のための深い学びを授業内で実践することのできる数学の教員の育成を目指すことを最終目標としている。 上記の目的をもとに2020年度は,これまでの取り組んできた「数学的リテラシー」に関しての研究成果をまとめ、技術的な問題や社会の問題の中で数学の考え方を取り入れるとともに,その問題を解決するための数学の知識を活用する「数学的リテラシー」を習得することのできる,新しい数学の教授法について考案した。さらに、具体的な授業教材や教授方法を構築した.なお,提案した新しい授業を教職を目指す学生とともに実践することによって、どの程度「数学的リテラシー」習得につながるのかを検証し、教育的効果と課題について検証した.加えて、ルーブリック評価を用いることによって、教育効果測定の基準についても考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では数理科目について「高校で現在どのような教育が行われているか」「生徒の実践的な理解を深めるためにどのような授業工夫を実施しているか」「高大接続に向けてどのような授業を実践したいか」を高大連携研究会に参加している石川県内の高校を中心に数学科目における実践調査を行うとともに,全国で特徴的なアクティブ・ラーニング等を取り入れた深い学びの取り組みを行っている高校についても現地調査を行い,その手法や評価について確認する計画を立てていた.しかしながら、2020年度のコロナ禍の状況で、調査としては一部の高校に対して電話やメールによる調査に限定して行ったのみで、現地調査に関しては2021年度に延期せざるを得なかった。 また、提案した新しい授業が,どのように「数学的リテラシー」習得につながるのか,新しい学習指導要領との整合性を検証するとともに,高校から大学へのスムーズな接続教育にどのように役立つかを検討する取り組みについても、高校の教員との連携がコロナ禍の中で少し遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度はまず、2020年度に取り組んできた「数学的リテラシー」を学習することのできる,具体的な授業教材や教授方法ついて実際の授業で実践することにより、その教育効果や課題を検証する。 そのうえで、2020年度に実施できなかった、数理科目について「高校で現在どのような教育が行われているか」「生徒の実践的な理解を深めるためにどのような授業工夫を実施しているか」「高大接続に向けてどのような授業を実践したいか」を高大連携研究会に参加している石川県内の高校を中心に数学科目における実践調査を行う.さらに,石川県に限らず全国で特徴的なアクティブ・ラーニング等を取り入れた深い学びの取り組みを行っている高校についても現地調査を行い,その手法や評価について確認する.そして、これらの結果をまとめ,新学習指導要領に向けた取り組みの現状とその課題などについて検討する. さらに、上記の調査結果をふまえ、2020年度にまとめた教授法や本研究者がこれまで行ってきた,深い学びのためのアクティブ・ラーニング型授業やICT教材を活用した教育実践方法をまとめ,「数学的リテラシー」習得のための授業手法について開発する.
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では数理科目について「高校で現在どのような教育が行われているか」「生徒の実践的な理解を深めるためにどのような授業工夫を実施しているか」「高大接続に向けてどのような授業を実践したいか」を高大連携研究会に参加している石川県内の高校を中心に数学科目における実践調査を行うとともに,全国で特徴的なアクティブ・ラーニング等を取り入れた深い学びの取り組みを行っている高校についても現地調査を行い,その手法や評価について確認する計画を立てていた.しかしながら、2020年度のコロナ禍の状況で、調査としては一部の高校以外は主に電話やメールによる調査に限定して行い、現地調査に関しては2021年度に延期せざるを得なかった。これらの、調査は研究目的達成のために重要な取り組みであり2021年度に実施したいと考えている。そのため、2020年度の研究費を2021年度の調査費として使用したいと考えている。
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