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2022 年度 実績報告書

自由手書きされた重ね書き文字認識を可能する前処理の実現

研究課題

研究課題/領域番号 20K03143
研究機関奈良工業高等専門学校

研究代表者

松尾 賢一  奈良工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (10259913)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード重畳文字 / 答案画像 / 採点ミス発見支援システム / 部分点 / 文字認識 / 文字パターン分離処理 / 画像処理
研究実績の概要

最終年度は,採点ミス発見支援システムの高精度化の実現に向けて,重要な処理部となる重畳文字分離部の性能向上のための答案画像の色情報の分析を実施した.
2種類の異なる色での筆記具を用いて採点された異なる採点済み答案画像を用いて,この両者における答案上に存在する解答枠線,解答文字の上から赤色もしくは青色で採点記号を重畳して書かれた場合の色情報の分布について調査を実施した.当然,色クラスタ分布の変化は想定されるが,背景領域色(答案背景,解答枠線,解答文字)と重畳した採点記号での色クラスタ分布が異なる性質を示していることが明らかとなった.特に,青色で書かれた採点記号との分離では,赤色の採点記号をクラスタ分布位置が色クラスタ平面内で異なると共に,これまでの固定値パラメータによる分離抽出手法では,抽出された採点記号パターンにおけるストロークの断線や雑音の発生が見られた.
この問題は,解答枠線や解答文字の色クラスタと採点記号のそれとの重畳領域を含めた両クラスター間の線形分離のしずらさが原因であった.そこで,固定値パラメータによる抽出を色クラスタリング手法に変更するとともに,色クラスタリングの際にクラスター間の線形分離を容易にするために,この背景領域色クラスタの分布の広がりを抑制するために,採点領域抽出の前処理として,答案採点記号にNLMフィルタを用いたフィルタリング処理を導入した.
この処理を導入して改良を加えた採点ミス発見支援システムによる評価実験結果において,これまで同様の抽出性能(94~97%),認識性能(部分点で99.2%,採点記号で99.5%)が得られたと共に,現在異なる2色の対応ではあるが採点に使用する筆記具の色情報の変化に対して,自動的に背景領域色(答案背景,解答枠線,解答文字)と重畳した採点記号を良好に分離させることが可能となり,システムの高精度化を実現させることができた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 採点ミス発見支援システムにおける分離抽出精度向上に向けた改良”2023

    • 著者名/発表者名
      村本 幸次郎,松尾 賢一
    • 学会等名
      2023年電子情報通信学会 総合大会ISS特別企画「ジュニア&学生ポスターセッション」
  • [学会発表] 採点ミス発見支援システム内の抽出処理の改良2022

    • 著者名/発表者名
      村本幸次郎,松尾賢一
    • 学会等名
      2022年電子情報通信学会 総合大会ISS特別企画「ジュニア&学生ポスターセッション」
  • [学会発表] 採点ミス発見支援システムにおける分離抽出精度向上に向けた改良2022

    • 著者名/発表者名
      村本 幸次郎,松尾 賢一
    • 学会等名
      情報科学技術フォーラム(FIT: Forum on Information Technology)2022

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公開日: 2023-12-25  

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