研究課題/領域番号 |
20K03148
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
工藤 孔梨子 九州大学, 大学病院, 助教 (50644796)
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研究分担者 |
清水 周次 九州大学, 大学病院, 名誉教授 (70274454)
森山 智彦 九州大学, 大学病院, 准教授 (20452758)
上田 真太郎 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (10823445)
木村 拓也 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (40452304)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 遠隔教育 / 遠隔医療 / 国際化 / 医療者教育 / 情報通信技術 / 技術研修 |
研究実績の概要 |
国際間の医療施設をつなぐ遠隔教育のさらなる活用にはICT支援スタッフが必要であるが、そのために求められる技能は明らかでない。本研究では技術担当者に必要な知識・スキルとは何か、そしてそれを向上させる教育プログラムはどうあるべきかを明らかにするため、アジア太平洋研究教育ネットワーク医療ワーキンググループにおいて実施されてきた技術担当者研修プログラムについて、到達目標および評価指針(分析的ルーブリック)を開発し、新しい研修プログラムを構築・運用することでその妥当性を検証することを目的とする。 2年目である本年度は、これまでに開発した評価指針を用いて、研修プログラムの方向性の確認と検証を実施した。研修プログラムについては、医療ワーキンググループにおける技術スタッフ・研究者3名が各評価指標において既存のプログラムがどの程度カバーしているか5段階で評価した。結果、ネットワークモニタリング(平均3.3/5)。医療情報の取り扱い(平均3.3/5)、に関しては既存のプログラムでは不十分であり、今後のプログラムにおいてこれらを学べるための対応が必要なことが分かった。 また、コロナ禍で海外渡航が困難となり、アジア太平洋研究教育ネットワーク会議がすべてオンライン開催となったことで本研修の検証が難しい状況となったため、別途セミナーとディスカッションを中心としたアジア遠隔医療教育オンラインプログラムを実施し、参加者の評価結果の分析を進めている。 また、本研究で得られた成果を学会や論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度も引き続きCOVID-19の流行により、アジア各国の研究協力者たちとはICTを活用し遠隔のコミュニケーションをとりながら研究を進めることができた。 しかし本研究でのトレーニングプログラムは対面での実施を前提とした国際遠隔医療教育を対象としているため、海外渡航が困難である現状、開発した研修指標の検証が難しい状況にある。このため代案としてオンラインでのプログラムを実施し、分析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
世界的な感染症の流行や政情不安を背景とし、国際遠隔医療教育はますます重要になると考えられる。これまで、対面を前提として医療現場のスタッフへの研修プログラムの開発に取り組んできたが、今後はオンラインの研修プログラムの充実がこれまで以上に必要になると考えられる。その際にはライブデモンストレーションなどのより具体的な対象も含めて検討する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19による海外渡航が困難となり、アジア各国の研究協力者たちと予定していたトレーニングプログラムの実証ができなかったため、渡航関係の経費を余らせてしまった。次年度で海外渡航が可能となれば本経費を用いて実証予定であるが、次年度も引き続き渡航が不可であればオンラインでのトレーニングプログラム検討用の費用としたい。
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