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2023 年度 実施状況報告書

非AI的・非NS的な英語科教師の日本語:「日本語評価CanDoリスト」の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K03156
研究機関大東文化大学

研究代表者

表 昭浩  大東文化大学, 社会学部, 教授 (70817238)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード日本人英語教師 / 教授発話 / 混和 / 非AI的・非NS的
研究実績の概要

2022年度の研究デザインと計画に基づいて2023年度の研究を実施した。具体的には、5校の中学校と高校から合計6名の教師のデータ回収と分析を行った。一部の学校で当初の計画通りには進められなかったが、年度末までには全体のデータが出揃い総合的に分析することができた。これにより若干の計画の遅れが生じたものの、2024年度に2023年度に得られた結果を発表することで一定の成果を得て研究全体を終了させることが可能である。
分析は、6人の日本人英語教師の教授発話(Instructional Speech, IS)データからAI(人工知能)やNS(英語母語話者)にできない機能を操作的に定義し「AI・非AI」また「NS・非NS」という別々のカテゴリ分けにより2×2の4象限へ区分けしてその特徴を探った。その結果、日本人英語教師のバイリンガル行動(職業的バイリンガリズム)にはAI的発話(文法説明や和訳)や、AIやNS教師にはできない日本語と英語の混ざり合った発話(混和)が多く、混和を減らして非AI的な英語の増加をめざすことで、単なる和訳や英語の説明ではなく、意味内容がより豊かでより創造的な授業ができる可能性が示された。これにより、本研究の主題である「非AI的・非NS的な」英語科教師の日本語使用については、混和の効果的な在り方を探求的に明らかにすることが重要であることが明らかとなった。
本研究により、日本語を母語として学習者と共有する日本人英語教師の利点を活かしつつ、授業をこれまで以上に創造的に展開するためにAIをより積極的に活用しつつ混和を減らすことで、日本語行使を減らし英語行使を増やすためのいくつかの提言が可能である。この成果は、2023年度に既に発表した一般向けの著書とともに2024年度には刊行論文にまとめる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、5つの中学校及び高等学校の英語教師6名のデータを回収して探索的な分析を展開した。年度末までには最終的なまとめと調査報告を行った。コロナ禍の影響により当初の計画通りでのデザインで研究を行うことは叶わなかったが、事例研究へとデザイン変更することで新たな側面から探求内容を掘り下げことができたため、2024年度には一定程度の研究のまとめとすることが可能な状況である。

今後の研究の推進方策

2024年の最終年度は、生成AIの学校教育への利用を推進する立場からこれまでの研究で得られた教育的示唆をまとめる予定にしている。
日本人英語教師の教授発話(IS)行動における「非AI・非NS的」な特徴として明らかになった混和やAI的な発話行動は比較的多くの日本語発話を含んでいる。これらのIS行動をより創造的で豊かな行動へと変えることで教師にも生徒にもより効果的な授業展開へとつなげていくことができる。
2024年度は、本研究で得られた教育的示唆を関連学会にて発表し、混和やAI的な発話を日本人教師に独自な非AI的・非NS的で豊かな英語行使へとつなげていくための、AI新時代に適合した教師のIS行動について整理し最終的な研究報告をする予定である。

次年度使用額が生じた理由

一部のデータ回収が遅れたために研究の最終的なまとめと成果発表を一年延長することとした。このため、研究発表のための旅費、成果物を発表するための諸経費を最終年度に残して使用する計画にしている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大東文化大学社会学部における英語必修プログラムはどのように変わったのか?:2023年度の刷新と課題2024

    • 著者名/発表者名
      表 昭浩
    • 雑誌名

      社会学研究所紀要

      巻: 5号 ページ: 93-109

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Non-AI, Non-NS Japanese of the English Teacher in Japan: Exploring Instructional Speech in the English Classroom2023

    • 著者名/発表者名
      Aki Omote
    • 雑誌名

      Asia TEFL Conference 2023 at Korea Abstract Booklet

      巻: 1巻 ページ: 399

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] AI時代の日本人英語教師に求められる日本語:中高の教師が翻訳・生成AIに対抗するにはどうしたらいいのか2023

    • 著者名/発表者名
      表 昭浩
    • 雑誌名

      日本教育工学会第43回講演論文集

      巻: 1巻 ページ: 243-244

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Non-AI, Non-NS Japanese of the English Teacher in Japan: Exploring Instructional Speech in the English Classroom2023

    • 著者名/発表者名
      Aki Omote
    • 学会等名
      2023 AsiaTEFL 国際大会(太田,韓国)
    • 国際学会
  • [図書] 英語教師が知っておきたい授業力アップのための話し方:AI時代のセルフ・エフィカシー2024

    • 著者名/発表者名
      表 昭浩
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      幻冬舎
    • ISBN
      9784272412334

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公開日: 2024-12-24  

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