研究課題/領域番号 |
20K03166
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
曽我 千亜紀 大阪産業大学, 国際学部, 准教授 (50708310)
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研究分担者 |
山本 晃輔 大阪産業大学, 国際学部, 准教授 (60554079)
MENANT Julien 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 特任講師 (30895264)
ドゥプラド ヤニック 名古屋外国語大学, 外国語学部, 准教授 (80898883)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ゲーミフィケーション / 没入感 / フロー / ボードゲーム / eスポーツ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、学習・教育・ビジネスといった場面において、具体的な目標を達成するために効果的なゲームのシステム作成には、どのようなファクタが必要かを明らかにすることである。そのために重要である内発的な動機づけとゲームへの没入感がどのように関わるかを問う。人間が何かを学んだり、新たなものを創造したりする自発的な動機づけを喚起するゲーミフィケーションの条件を明らかにする。 2021年度は、研究目的を遂行するための下準備として、以下の4つの実績が挙げられた。 1. ゲーム没入感尺度(GEQ)に関して、Brockmyer et al. (2009, Journal of Experimental Social Psychology)の原論文で用いられる4つの概念を哲学的に分析した。ゲーム没入感の中でもとくにポジティブな概念であるフローについて、提唱者のチクセントミハイの主張と照らし合わせ、批判的に検討した。 2. コロナ禍でのゲームプレイがどのように変化し、また変化しなかったかについて検討した。とくにフランスにおける2020年のロックダウンがアナログゲーム(ボードゲーム)のプレイに与えた影響についてメディアにおける論じられ方を通して分析した。 3. 大学生と一般成人とでは好まれるゲームタイトルが異なるのではないかという予想のもと、テキストマイニングによるコレスポンダンス分析を用いて分析した。また、一般のプレイヤーとeスポーツプレイヤーでは没入感に相違があるのか否かについて調査した。 4. デジタルゲームだけでなくアナログゲームにも注目し、とくに欧米で盛んなボードゲームが日本においてどのように受け入れられ発展したかを踏まえ、現在の日本市場がどのような状況にあるかを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナが感染拡大するなかで対面での実験が思うように進まなかった。 子どもの保育園が急遽休園することが幾度かあり、計画の変更を余儀なくされた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は以下の4つの計画を進めていく。 1. ゲームにおける「楽しさ」や「フロー」の哲学的考察をさらに進めていく。その考察を踏まえたうえで、「楽しさ」や「フロー」を測定するための心理尺度を作成する。その尺度がどの程度妥当性を持つかを調査によって確認する。 2. 欧米、とりわけフランスで作られたアナログゲームに注目し、日本がどのようなイメージで描かれているかを調査し、日仏の文化的差異について検討する。その検討を踏まえたうえで、アナログゲームにおけるグローバリゼーションとローカリゼーションがどのように働いているかを考察する。 3. 授業においてボードゲームやロールプレイングゲームを導入し、どのような方法で実践すればより高い効果を得られるのかを検討する。その試みから、ゲーミフィケーションが成立しうるような条件を仮説的に抽出する。 4. デジタルゲームを実際にプレイすることによって生じる没入感やストレスからの解放について実験をおこない、ゲーミフィケーションを成立させるために必要な条件を探求する。同時に、デジタルではないアナログのゲーム(ボードゲーム等)を実際の授業に利用してどのような効果が得られるか、あるいは得られな いかについて調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会がオンラインで開催され旅費の必要がなくなったため。 心理学的調査に使用予定。 もし海外へ行くことが可能となれば旅費として使用予定。
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