研究課題/領域番号 |
20K03173
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
皆川 洋喜 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (00273285)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 視覚障害 / 聴覚障害 / 障害特性 / 音楽 / コミュニケーション |
研究実績の概要 |
2020年度は、リズム情報共有システムの基本システムとして、加速度センサと振動モータによる個人用小型端末の試作を行った。小型端末は、シングルボードコンピュータ、加速度センサ、振動モータにより構成される。試作した2台の小型端末はケーブルで接続され、相互にリズム情報を交換できる。ユーザA用の小型端末A(加速度センサA、振動モータA)とユーザB用の小型端末B(加速度センサB、振動モータB)を用いて、次のようにリズム情報を共有できる。ユーザAの腕には加速度センサAと振動モータAが、ユーザBの腕には加速度センサBと振動モータBが、それぞれ取り付けられている。ユーザAが腕の動きで表現したリズム情報が加速度センサAより小型端末Aに入力され、小型端末Bを介して振動モータBの振動として出力され、ユーザBの腕に伝えられる。同様に、ユーザBの腕の動きは、加速度センサB-振動モータAを介してユーザAの腕に伝えれられる。 この、振動によるリズム情報の共有は、視覚に障害がある人と聴覚に障害がある人との間での共通の情報共有メディアとして用いる。今後は、音(ブザー)および光(LED)によるリズム情報提示機能も付加し、それぞれの障害の特性を活かしたより幅広い情報共有の方法について、評価実験により検討を行う計画である。 現在の試作システムは、2台のみの小型端末で構成されているが、複数の小型端末を無線で接続し、障害特性の異なる複数のユーザ間でのリズム情報の共有方法についても検討を行う計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナの影響により、オンライン授業に対応した授業の準備等にかかるエフォート率が増加し、十分に研究時間を確保することが困難であった。 また、本学の視覚・聴覚に障害がある学生たちの協力を得てシステムの評価を行い、研究を進めていく予定であったが、新型コロナの影響により実現することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 2020年度に開発した試作システムを用いて、1対1での振動によるリズム共有に関する評価実験を行う(視覚障害者と聴覚障害者、視覚障害者同士、聴覚障害者同士)。 (2) (1)のシステムに、音(ブザー)と光(LED)の情報を付加したシステムを開発し、評価実験を行う。 (3) 複数の小型端末を無線接続して利用できるシステムを開発し、多様な障害特性のある複数のユーザに対する評価実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により、予定していた評価実験および学会発表ができなかったため。本学学生を対象とした評価実験および学会発表(オンライン開催予定)の費用に充てる計画である。
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