研究課題/領域番号 |
20K03175
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
黒田 卓 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (80262468)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | プログラミング教育 / カリキュラム開発 / 教員志望文系学生 / 総合的な学び |
研究実績の概要 |
本研究では、プログラミングを用いて音楽を演奏することを通して、文系の学生でも取り組みやすい、教員養成におけるプログラミング教育カリキュラムおよび、小・中・高等学校のプログラミングの授業でそのまま利用できる教材の開発を行うことを目的としている。 3年目では、RaspberryPiを用いての個人の学習を支援する、Moodle教材の開発を中心に研究を進めた。GIGAスクールの開始に伴い、学校の情報環境等がおおきく変わってきている。そのため、当初想定していたRaspberryPiを用いることにこだわらず、Windows端末やChrome端末、iPad等でも学習が可能な方法を模索中で、すでに対応されているWindows端末での利用はもちろんのこと、Chrome端末でLinuxを動作させることで、利用できることまでは確認できた。 本年度は特に、音楽の基礎的知識として特に小学校の教員免許取得にも関連する楽典の内容について、SonicPiによるプログラミングを通して学習する教材の開発を進めた。楽典での学習内容の分析を行い、その内容には単にプログラミングや音楽だけでなく、周波数、ゆらぎといった理科的知識、平均律等に利用される数学的知識、SonicPiの音階に割り当てられたコードと数の2進法表現といった数学や情報に関する知識を総合的に学ぶことができることから、このような総合的な視点からの教材分析、教材開発を進めた。 新型コロナウィルス感染拡大の影響もあり、集合形式での研修は依然として難しい状況も続いており、また、教員養成系のカリキュラムもかなり過密なこともあり、計画していた集合研修は実現できなかったが、オンラインの研修が進められるよう、準備を進めている。現在、最終年度に開発したシステムを利用し、テスト運用を行い、学習効果、システムの使いやすさ等の評価を行えるよう準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要のところでも述べたとおり、研究全体としてはおおむね順調に進展していると考える。GIGAスクール構想の前倒しにより、研究計画時から比べて学校の情報環境が大きく変わってきていることから、利用環境の構成をこれらに合わせられるように修正しながら、研究を進めている。 また、教材内容の検討を進める中で、より幅広い教科等との連携を図ることが可能で、その学びの内容の関連を検討しながら、カリキュラム開発に取り組んでいる。それにより、当初の想定よりもより総合的な学びが進められるようになってきた。 新型コロナウィルス感染拡大の影響もあり、開発したカリキュラムの学習効果や、システムのユーザビリティ等の評価の部分は少し遅れている。これらは現在、4年次に実施を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画時に比べ、新型コロナウィルス感染拡大の影響もあり、学校の情報環境が急激に変化したり、遠隔授業等の学びの方法が変化した。それに伴い、研究方法、内容の微修正を行いながら、今後、実際に利用ができるカリキュラムやシステムの開発を進めている。 上記のような理由で、カリキュラム開発、システム開発の部分で方向修正等を行っているため、これらの学習効果やシステムのユーザビリティ等についての評価が遅れている。これらに関しては、4年次に実施できるよう準備を進めており、研究期間終了までには、一定の研究成果の報告が行えるよう、研究を進めている。 研究報告については、R4年度末をめどに北陸3県教育工学研究会、教育工学会研究会等で報告することを考えている。
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