研究課題/領域番号 |
20K03179
|
研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
生田 淳一 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70412450)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 質問生成 / 学級文化 / 授業方法 / 協同学習 / トレーニング / ICT活用 |
研究実績の概要 |
本研究は、学習が促進されるような児童の自発的な質問生成を引き出すことにあり、その要因の一つとして学級文化に注目している。そのため、学級レベルでの実地によるデータ収集を計画していたが、コロナ禍ため、計画通りに実施できない事態が生じた。特に、年度前半は、学校との交渉等が進めづらい状況があったため、既存のデータの再分析や、文献研究を中心に研究を進めた。 年度後半からは、学校との交渉・交流を進めることが可能となったが、データ収集については、当初予定していた学級レベルでの教室のおけるデータ収集が難しい状況が続いた。そのため、当初の計画には想定していなかった、ICTを活用したデータ収集を行い、計画を進めた。 新規のデータについては、収集が難航したため、その十分な分析までは至っていない。しかしながら、既存のデータの再分析や文献研究を通して、「教室における児童の自発的な質問生成を個人要因により説明することに限界があること」、「教室における児童の自発的な質問生成には学級差があり、主体的な学びが求められうような学級であるか、学習者同士あるいは教師と学習者の関係性が築かれているか否かといった学級文化の差によって質問生成が起こるか否かを説明できる可能性があること」を確認することができた。 また、ICTを活用したデータ収集を実施した結果、ICTにより質問生成を求めた場合、質問数については、紙ベースのものより多く報告されることが示唆された。 本研究において開発する手法の一つとして、協同学習を取り入れた授業実践を計画していたが、これらの結果やICTの急激な普及、その活用というニーズに合わせて、次年度以降は、ICTの活用も視点に加えて研究を遂行していきたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、当初予定した計画を実施することがでず、新規データの収集が予定通りにできなかった。そのため十分な分析を行うまでには至らなかった。 次年度以降、計画を修正しこの遅れを取り戻すだけでなく、新たな視点を加えて、研究を進めていきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、協力校の実態を考慮しながらも、新型コロナ感染症を万全にして、データ収集等の研究を進めていく。一方で、ICTの急激な普及、その活用というニーズが高まっている。この状況の変化を鑑みて、次年度以降は、ICTの活用も視点に加えて研究を遂行していきたい。具体的には、ICTを利用したデータ収集にとどまらず、ICTを活用した授業づくりやその中での質問力の育成にも取り組んでいく予定である。
|