研究課題/領域番号 |
20K03193
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研究機関 | 甲子園大学 |
研究代表者 |
樋口 勝一 甲子園大学, 心理学部, 教授 (10411852)
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研究分担者 |
久米 健次 奈良女子大学, その他部局等, 名誉教授 (10107344)
小無 啓司 大手前大学, 現代社会学部, 非常勤講師 (20161953)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 授業 / 理解度 / やる気度 / 減衰曲線 / 予測 |
研究実績の概要 |
個々に対して、授業クラス全体に対して、集中力と関係があると推定される将来の「やる気度」を予測しようと考えた。学生個々のやる気度は、自然現象などから推定される時間依存の減衰関数に当てはまると仮定した。 やる気度を予想する減衰関数(ここでは予想式)を求めるため、1回生配当授業3クラスにおいて学生個々のやる度の回数変化を記録した。データより、学生のやる気度の時間発展を、増加(負の減衰関数)、一定、減少(正の減衰関数)の3パターンに分けて、各パターンの予想式を導出した。 増加、減少パターンともに第1回測定値と第10回測定値との間に正の相関があった。つまり、第1回測定値が分かり、パターンが3つのうちどれになるかを決めれば、第10回の測定値は自動的に決まる。この2点が決まることにより、(式3)、(式5)における定数Aとaの値が、(式4)における定数aの値が3-1節で示されたように決定され、予想式が導出できるのである。なお、実際にアプリなどのシステムに落とし込んで授業でこの予想式を活用する時には、第1回と第3回のやる気度を比較することでパターンを決定することにした。 さらに、予想式と今回の毎回の実測値を比較した。授業の途中回については実際の測定値はなめらかではなく変動しているため完全に一致することはないが、おおまかな流れは一致していることを確かめた。この研究では、「受講学生が第1回と第3回のやる気度を入力すれば第4回以降のやる気度を予想する数式を導出できる」方法を開発し、この予想式がある程度、機能することを確認した。 一方、減衰曲線などの曲線についても分析を行った。曲線のスペクトル 重み係数をSSAアルゴリズムに導入することができること、この拡張により、時系列の特定の周波数領域に選択的に焦点を当てることができ、その上で 複雑なスペクトル構造を持つ時系列の詳細な研究が可能となることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染症の拡大により、学生への調査が延期となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の課題は以下の4つである。 (1)予想式が実際のやる気度を予測できているか確認すること (2)構築したシステムにより予想やる気度を学生や教員に知らせることで、以降のやる気度が予想値を超えるよう授業改善効果を確認すること (3)やる気度(集中力)が増加する、あるいは一定であるのはどういったことが原因なのか、そのメカニズムを探ること
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大の影響で、データ収集や結果発表のための出張などが十分に行えなかった。このたび、研究期間を1年延長した。最終年の2023年度は、2022年度に実行できなかったデータ収集を行い、予想式の有用性を確認していく。また、学会等での発表も追加で行うことで、計画の遅れを取り戻す予定である。
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