研究課題/領域番号 |
20K03200
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
中野 良樹 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (50310991)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小学校生活科 / 創造的問題解決 / 質的分析ソフト |
研究実績の概要 |
令和4年度は本計画にかかわる実績として以下のものがある。 ①令和4年6月10日に開催された秋田大学教育文化学部附属小学校での公開研究授業に併せて、2年生生活科の授業「まち探検」の単元に研究協力者として参加した。この際、児童が作成した「お気に入りの紹介カード」を画像データとして収集した。本研究授業の報告として「『とっておき』の分類は子どもたちの地域への愛着を測る『ものさし』になるのか?」の題目で授業批評がオンライン研究紀要に掲載された(URL:https://www.aes.akita-u.ac.jp/kenkyu/r4/leaflet/PDF/r4seikatu_k.pdf)。また同年10月24日、附属小校内研究会の1年生生活科授業「秋でたのしもう」にも研究協力者として参加し、児童が木の実や枝や松ぼっくりなどで作成した秋のおもちゃを画像データとして収集した。 ②質的分析ソフトMAXQDAの授業分析についての活用方法について、同年11月に開催された北海道心理学会・東北心理学会 第13回合同大会 (於北海道大学)で「心理専門職養成課程でのカウンセリング・ロールプレイ演習において混合研究法を用いた教育効果の検証(2) ―質的分析ソフトMAXQDAを活用した発話プロトコルの分類―」(中野良樹 伊沢慧 齋藤桃子 千葉 彩水)の題目で報告した。 ③数理パズル・タングラムにおける創造的で協働的な問題解決に関する研究について、洞察が段階的に生じることを証明するために、完成時点から逆行して完成度を得点化する分析方法を考案した。この成果については国際学会"18th European Congress of Psychology (3-6 July 2023 / Brighton, UK)において発表する予定である(accept済み)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画期間の開始当初の2年間はコロナ禍の影響により、実験室内の実験は全くできず、また授業研究のフィールドである附属小学校も閉鎖になることが多く、外部の人間が授業に立ち入ることも難しかった。しかしながら、昨年度1年間でこれまでのデータに新しい分析方法を試したり、タングラムを用いた実験について、協働での問題解決を検討する実験を行うことができた。また、附属小学校においても徐々に研究授業が再開され、1、2年生の生活科授業において画像データを取集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の最終年度として以下の論文を執筆する予定である。 ①数理パズル”タングラム”を利用した創造的問題解決の研究について、これまで国内外の学会で発表したデータをまとめ、国際誌“Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition”に原著論文として投稿する。 ②質的分析ソフトMAXQDAの授業実践における活用方法について、大学院演習授業をモデルとした取り組みについて、「秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要」に投稿する。 ③小学校生活科において研究計画期間中に収集した画像データをまとめ、生活科における特におもちゃづくりと問題解決力の育成について研究論文を執筆し、「秋田大学教育文化学部研究紀要」に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画当初の2年間はコロナ禍の影響で実験室実験も小学校での研究授業もできなかった。後ろ倒しになった実験が完了し、これらの成果を国内外の学会で報告し、国際雑誌に論文を投稿するための資金が必要である。発表予定の学会および投稿予定の雑誌は以下のとおりである。 18th European Congress of Psychology (3-6 July 2023 / Brighton, UK)/日本心理学会第87回大会(2023年9月15日-17日,神戸/オンライン) Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition/秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要/秋田大学教育文化学部研究紀要
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