第一に,理科におけるものづくり活動の事例分析をおこなった。事例として,アメリカ・ボストン科学館で研究開発された初等教育段階のEngineering is Elementary,および中等教育段階のEngineering the Futureに注目し,その単元構成や指導方法の特徴を分析した。いずれのプログラムにも共通する特徴として,①エンジニアリング・デザインの過程を学習の基盤に置き,その過程そのものの理解を目指すように設計されていること,②科学,数学等にかかわる知識は,テーマにかかわる問題解決の中で随時学習するようになっていること,の2点を確認できた。特に,特徴②は,基礎・基本の理解から応用へ向かう日本の理科カリキュラムとは異なる考え方であることから,日本の理科におけるものづくり活動の指導方法に対する示唆になりうることを確認した。 第二に,世界で隆盛を見せるSTEM(ステム)/STEAM(スティーム)教育の動向から,「統合」(インテグレーション)概念について考察した。「統合」の度合いは,学習の成果として学習者に獲得を期待することに焦点化され,カリキュラム構成上も重要な概念であることを確認した。これらの点は日本の理科のものづくり活動における指導方法を検討する上で重要な点であることを指摘した。STEM(ステム)/STEAM(スティーム)教育との共通性や親和性を整理することは,ものづくり活動を洗練させていく上で重要であると考えられ,科学の知識と科学技術の関係を学習者に気づかせる上で有効な役割を果たす可能性が示唆された。考察結果は,日本科学教育学会第47回年会のシンポジウムにおいて登壇者の一人として発表した。 研究成果を日本科学教育学会および日本理科教育学会において口頭発表するとともに,理科教育関係研究誌に掲載した。
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