研究課題/領域番号 |
20K03218
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研究機関 | 函館工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山本 けい子 函館工業高等専門学校, 一般系, 准教授 (90402221)
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研究分担者 |
倉山 めぐみ 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 准教授 (20710867)
松永 智子 函館工業高等専門学校, 物質環境工学科, 准教授 (70533412)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 理工系女子学生 / 理系進路選択 |
研究実績の概要 |
2020年度は,Covid-19の影響を受け,学外での地域貢献活動が実施できない状況が続いている.そのため,学校イベントとして,9月に女子中学生(学年問わず)と保護者を対象とした「ガールズオープンキャンパス2020」を開催し,女子学生の活躍を幅広く知ってもらう機会を設けた.地域の理工系学生のロールモデルとして,女子学生がキャンパスツアーガイドや体験型実験講座の講師を務め,中学生や保護者との交流を深めた.中学3年生の参加者は29名で,そのうち,20名が2021年度本校への入学に至っている. また,日産財団第3回リカジョ賞において,これまでの女子学生サポート室(教員組織)と理系女子実験隊(女子学生の有志団体)の取り組みについて成果発表「高専女子のリカジョ力を地域に還元~理工系女子学生が活躍できる持続可能なキャリア教育を目指す~」を行ったところ,理系女子実験隊による地域貢献活動を通じた「女子学生を増やす」「女子学生を育てる」仕組みが評価され,「グランプリ」を受賞することができた.新聞等でも取り上げられ,日産財団のWebサイトにも掲載されている. さらに,活動発表の場がオンライン開催となることも多く,理系女子実験隊のメンバーは,実験動画を制作したり,自分たちの取り組みや体験講座の様子を動画で紹介したりするなど,積極的に参加した.実績は以下の通りである. 「HAKODATEアカデミックリンク2020・ステージ発表」では,「つなげよう!未来へ。羽ばたこう!理工系女子。」というタイトルで制作動画を専用サイトに公開し,優秀賞(産学連携「クリエイティブネットワーク」賞)を受賞.動画を視聴した女子中学生からメールで質問があり,学生たちが回答する場面もあり,地域への発信につながった. 「KOSEN男女共同参画への集い」では,動画制作及びオンライン発表「次世代リケジョ育成計画!!」を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では,地域貢献活動として,出前講座を想定していたが,Covid-19の流行により,実施できない状況である. しかし,学校イベントにおける体験型講座の開催や動画を用いた活動内容等に切り替えながら,着実に成果を出していること,また,オンライン化によって地域内外に発信することができているなど,女子学生のキャリア教育に関するアプローチも広がっており,おおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策について,「①-1 地域の小中学生に理工系進路選択を促す地域貢献活動の実施」については,2020年度に引き続きガールズオープンキャンパス2021を実施予定である.また,新たな取り組みとして実験動画配信や遠隔出前講座などの実施を目指している.「①-2 理工系女子学生の意識改革と実践的なキャリア教育」については,①-1 の活動を通して,実践中である.キャリア教育については,すでに国際的な学生組織Robogals APACとの連携を進めており,グローバル化を視野に展開中である.「②-1 リーダー人材の育成」では,ガールズオープンキャンパス2020に参加した学生スタッフ及び当時の参加中学生を新たなメンバーに加えた新体制となっている.ガールズオープンキャンパス2021の開催を通じて,人材育成を図る予定である.「②-2 キャリア教育システムの評価」は,経年の女子学生の比率,卒業生への調査を最終年度に実施する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
申請書作成当初,体験型出前講座で使用する実験機材を購入するための物品費を計上していたが,新型コロナウィルス感染症の拡大により,地域へ出向いての出前講座等が実施できない状態が続いている.また,関連学会等での聴講・発表を目的とした旅費についても計上していたが,これらも開催中止等の措置が取られたため,参加できていない.2021年度は,引き続き,同様の状況が想定されるため,理系女子実験隊による活動自体を実験動画制作や遠隔出前講座,オンラインイベントの開催へと移行する予定であり,そのための機材や物品の購入を行う.学会等への参加・発表については,状況を確認しつつ準備を進める予定である.
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