本研究は、ゲノム編集技術を主たるテーマとして、現代生命科学における科学リテラシーの構築に寄与するネットワークを介した教育システム(以下e-learning)の開発およびその効果の検証を目的としている。 主に初年次の大学生を対象として、授業、アンケートおよびインタビュー調査等を行った結果をデータとして蓄積し、データベースを構築した。「ゲノム編集技術」に関係する生物学用語等の理解度、遺伝子改変生物の利用に関する現状の理解、および生物の遺伝子改変技術の応用に対する態度に関してテキスト分析を実施し、科学リテラシーの構築に関連する因子と課題の抽出を行った。上記分析から得られた結果をもとに、e-learning教材を開発した。また、問題解決型学修を通じて、模擬研究計画を作成し、研究計画、食品開発から社会への公表までの疑似体験を行うことにより、技術の応用がもたらすベネフィットとリスクについて検討した。さらに、ゲノム編集技術応用食品の国内遺伝子改変生物に関連した情報の増加にともなう社会的な状況の変化をふまえ、関連する研究の進展とその応用について調査し、環境および社会への影響、倫理的課題等を考察したうえで、社会へ向けたコミュニケーション手法の開発を行った。
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