研究課題/領域番号 |
20K03252
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
祇園 景子 神戸大学, バリュースクール, 准教授 (70533404)
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研究分担者 |
大村 直人 神戸大学, 工学研究科, 教授 (50223954)
鶴田 宏樹 神戸大学, 学術・産業イノベーション創造本部, 准教授 (20346282)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 科学コミュニケーション / 道場 / ソーシャル・キャピタル / 防災意識 |
研究実績の概要 |
近代の道場は,正式な寺院や僧侶が近くにないときに,日常的な法事や仏教行事を担う人あるいは場所となった.出家信者と在家信者の間に位置する檀家総代であるとともに,在家信者たちが集まる場所をさす.道場の一つの役割である仏教行事の挙行に着目し,行事が一般市民の科学的興味・関心に与える影響を検討した.具体的には,祭りを通じて構築される人とのつながりと防災意識との関係を調査した.祭りの運営に携わる人,祭りに行く人,行かない人について,消防団員とそうでない人たちに分けて,各々の防災意識の違いをソーシャル・キャピタルの観点から分析した.ソーシャル・キャピタルとは,社会・地域における人々の信頼関係やつながりを表す概念で,共通の目的に向けて協調行動を促し,社会の効率性や成長,持続性を高める社会的資源を意味する.アンケート調査を実施したところ,消防団員であろうとなかろうと,祭りの運営に携わる人のほうが祭りへ行くだけの人よりも,ハザードマップや避難場所・経路を理解していたり,備蓄品を準備したり,近所の要支援者を把握していたり,防災意識が高い傾向にあることが分かった.また,消防団員ではない人で祭りに行く人は,ソーシャル・キャピタルがハザードマップや避難場所・経路を理解したり,備蓄品を準備するなど,防災における自助意識に与える影響が大きいことが判明した.消防団員ではない人たちを非専門家とすると,ソーシャル・キャピタルを高めることによって,非専門家の科学的興味・関心を向上させることができることを示唆している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
道場の一つの機能(祭り)に着目し,一般市民(非専門家)への科学的興味・関心(防災)に与える影響をソーシャル・キャピタルの観点から分析することができた.
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今後の研究の推進方策 |
SNSによるコミュニケーションの場が,道場と同様の機能をもった科学コミュニケーションの場として成立しえるのかを検討する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症によりワークショップができず,文献調査に重点を置いて研究を進めたことと,オンラインにて学会発表することとなったため,次年度使用額が発生した.
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