研究課題/領域番号 |
20K03259
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
藤野 裕弘 東海大学, 教養学部, 教授 (60219037)
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研究分担者 |
倉元 隆之 東海大学, 教養学部, 講師 (30511513)
小栗 和也 東海大学, 教養学部, 教授 (00580490)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地域連携 / 環境教育 / 実践教育 / 自然体験 / NPO法人 / 初等中等教育 / 高等教育 / 地元学 |
研究実績の概要 |
教員が構築した環境教育プログラムを基盤に、学生が自然体験型の教育プログラムを構築し、教員のサポートを受けながら、大学近隣の初等中等教育機関で試行的に実施する段階までには到達した。その内容は、大都市一極集中と地方の疲弊を背景に、若者世代の地元回帰の一助とする目的を含め「地元を良く知ろう!」を大テーマとした。 連携した初等中等教育機関は、昨年度に続き湘南海岸沿いの平塚市に位置する学習支援組織と丹沢山地の山裾に位置する伊勢原市の小学校の2団体である。 海沿いの学習支援組織では、昨年度の実施内容を踏まえて改訂した川の自然と環境問題を具体的なテーマとし、川の生物と川のごみ問題を中心に地域の自然と環境問題を考える内容の出前授業を実施した。川の生物観察では、拡大観察も行い、学生オリジナルの生物カードも使用した。 山沿いの小学校では、昨年度と同じく、親子川の生物観察会を実施し、採取生物の拡大観察と生物カード(学生のオリジナル)を通して、食物連鎖を柱とした河川生態系を考える内容の出前授業を実施した。加えて、地域の自然と名産品の関連を説明するプログラムも実施した。それぞれの出前授業で、授業実施前と授業実施後に、アンケート調査を行い、比較検討した。 加えて、今年度は、沖縄県の久米島の小学校と連携して、ごみの分別をテーマとした実践授業と、島に打ちあがる海岸ごみの回収と分別を現場で体験させる新たなプログラムを加えた出前授業を試みた。 この教育研究の一部を取りまとめ、昨年度に続いて、学会発表(7月)を準備中である。しかしながら、コロナ禍が続く中での実施であり、計画通りとは言い難い現状であり、実施回数やアンケート調査内容に課題が残った。実施予定の沖縄県宮古島市では、今年度も新型コロナの感染拡大が著しく、実施できなかった。そのような状況で、同じ沖縄県の久米島で実施できたことは、大きな成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学生が主体となって教育プログラムを構築し、出前授業として、環境NPOとも連携して試行的に実施することはできた。 しかしながら、当初予定していた沖縄県宮古島市と連携した試行実施は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、今年度も断念せざるおえない状況であった。 また、先に述べた、大学近隣の初等中等教育関連機関と連携したプログラムの試行実施は、コロナ禍のため、今年度も出前授業の試行実施までに、充分な準備期間を設けることができなかった。昨年度と異なる点は、複数回の実施ができたことである。 また、プログラムに活用できる地域の検討、連携施設や団体の検討などは、昨年度同様に、出張自粛の環境下で、充分に取り組めたとはいいがたい現状であった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に連携した大学近隣の初等中等教育機関とは、2021年度も連携を継続できたことから、2022年度も、これまでの課題を踏まえて改善した内容で実施する準備を進めている。具体的には、担当学生を選抜し、プログラム内容の検討に入っており、連携団体との実施予定日の調整も進めている。 また、計画時に実施予定であった沖縄県宮古島市においても調整を始めた段階であるが、やはりコロナ禍の影響が大きく、実施の見通しが不明であるため、その他の連携先の検討を始めている。現在、昨年度試行的に実施した沖縄県の久米島の連携先との調整を行っており、実施に向けた具体的な検討に入った段階である。それ以外の連携先についても候補を選定し、打診中である。 また、プログラムに活用できる地域の検討、連携施設や団体の検討などは、2022年度に、これまでの遅れを取り戻せるように、視察計画を策定中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で、連携先で実施予定の出前授業が、計画通り実施できず、プログラムに活用できる地域資源の検討を目的とした視察も計画通り実施できなかったことが、一番大きな理由である。 2022年度の上記遅れを取り戻すため、これまで連携してきた団体との継続実施のほか、昨年度試行的に実施した沖縄県久米島での本格実施、新規の連携先と試行実施ができるようにし、少しでもこれまでの計画の遅れを補完したい。加えて、今後の展開を展望して、プログラムに活用できる地域や施設、団体の検討をより積極的に行うための視察計画を策定し、実施したいと考えている。
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