研究課題/領域番号 |
20K03261
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研究機関 | 京都文教大学 |
研究代表者 |
大前 暁政 京都文教大学, こども教育学部, 准教授 (90709528)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 探究活動 / 教授方略 / 小学校理科 / 探究学習プログラム / 主体的 / 協働的 |
研究実績の概要 |
本研究では,理科学習に未習熟な小学校段階において,主体的・協働的な探究学習プログラムを適切に展開するため,申請者が開発したプログラムを対象として,次の三つの教授方略を明らかにし,実践と評価・改善を通すことで,一連のシステムとして構築を試みる。① 探究能力育成のための教授方略,② 探究活動を支援するための教授方略,③ 探究プロセスを展開するための教授方略,の三つである。 令和4年度には,「③ 探究プロセスを展開するための教授方略」に関して,先行実践を中心に調査・分析し,学習者を中心とした探究活動のプロセスを,無理なく授業の中でスムーズに展開していくための,大きな視点から見た教授方略を明らかにすることができた。具体的には,「習得・活用・探究」を連動させて探究プロセスを展開するための教授方略を明らかにすることができた。調査の際は,学年と単元による探究プロセスの違いなどに合わせ,小・中学校及び高等学校の先行研究・実践の分析を行うようにした。 さらに,令和3年度までに開発した「① 探究能力育成のための教授方略」,「② 探究活動を支援するための教授方略」と統合し,主体的・協働的な探究学習プログラム全体に適用可能な,一連のシステムとして教授方略をまとめることができた。小学校段階で自律的な探究学習を進めるための教授方略の解明が計画通り進んだことは意義のあることだと考えられる。また,これまでに開発した教授方略を活用した研究授業を小学校で実施し,実践を通して,教授方略の効果を調べることができた。 令和5年度には,主体的・協働的な探究学習プログラムに必要なシステム化された教授方略を,様々な単元において,実際に小学校現場で実践を行うため,現場と連携しながら少しずつ研究授業の計画の立案,相談を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度に予定していた研究の計画を遂行できた。つまり,「③ 探究プロセスを展開するための教授方略」に関して,先行実践を中心に調査・分析し,一連のシステムとしての教授方略を開発することができた。特に,「習得・活用・探究」を連動させて探究プロセスを展開するための教授方略を明らかにすることができた。複数の小学校において,実際に,実践と研究を行うことで,より実践的な内容に高めることができたことは成果である。 令和5年度には,これまでに開発してきた,主体的・協働的な探究学習プログラムに必要なシステム化された教授方略を,様々な単元において,実際に小学校現場で実践を行う予定である。小学校段階でも無理なく探究的な学習を取り入れられるようにすることが必要なため,より実践的な研究にするためにも,令和4年度中に少しずつではあるが,学校現場での授業実践や,研究授業の計画立案を開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度には,主体的・協働的な探究学習プログラムに必要なシステム化された教授方略を,様々な単元において,実際に小学校現場で実践を行う。 複数の小学校において,研究授業を実施する予定である。また,令和4年度中に学校現場での実践や,研究計画の立案を開始できたため,授業の実施や,授業後の考察,教授方略システムの構築・修正などを早めに行うことが可能だと考えられる。 令和4年度までに開発した,システム化された教授方略を探究学習プログラムに取り入れ,小学校において実践し,結果分析を行う。できるだけ複数の単元において研究協力校で授業を行い,学習者の変容を調査する。研究協力校での実践を通すことにより,新たな条件が明らかになった場合は,その条件を満たすために,教授方略システムの修正や改善,新しい内容の追加などに取り組むようにする。
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