研究課題
ロボカップサッカー小型リーグはフィールド上空に設置されたカメラからの位置情報をもとに,サーバPC経由の無線指令でロボットを制御させている。そのシステムを応用して出張授業に特化した完全自律実演サッカーロボットシステムの開発を行った。従来,サッカーロボットの操縦体験を通して,AIの有用性の理解を普及する活動を実施していたが,ロボットがフィールドの隅や端にある場合は人間の補助操作を必要としていた。これをフィールドを囲う壁を弾力性のある素材に変更した上で,ロボットのキック機構とドリブル機構を併用することで,人の補助をほとんど必要としないシステムに改良した。加えてAIによる自動得点処理,大型ディスプレイによる得点表示,得点シーンでの歓声音の追加などでイベントの盛り上がりを図った。これらの実践的課題を学生とともに解決していく教育的効果をアンケートにより評価した。COVID-19禍で2020~22年度は対面形式での実演活動はほとんどできなかったが,2022年度後期に開発システムを実施する機会を得た。久しぶりの実演では歓声音も加わり大いに盛り上がった。本研究の実績として,対面で実施されたRoboCupアジアパシフィック大会2021SSLで3位入賞,同大会での成績が評価されてロボット学会賞受賞,RoboCup世界大会2021および2022で各5位,ジャパンオープン2021および2022で,それぞれ3位,準優勝などが挙げられる。これらの成果は,学生と日々議論し,継続的な研究・開発を繰り返すことで培われた創造力の結果と考えられる。今後はまだ課題の多い通信・制御系の性能を向上させること,IMUのデータを有効利用することでロボットの滑らかな走行移動を実現させること,ロボットに搭載したローカルカメラによってロボットが自ら位置を把握し,AIと連携した動作を実現することなどの対策を予定している。
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