研究課題/領域番号 |
20K03274
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
安積 典子 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (50200829)
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研究分担者 |
秋吉 博之 和歌山信愛大学, 教育学部, 教授 (00454851)
吉本 直弘 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10294183)
生田 享介 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30299367)
川上 雅弘 京都産業大学, 生命科学部, 准教授 (30569231)
深澤 優子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (50379327)
萩原 憲二 大阪青山大学, 健康科学部, 准教授(移行) (60763513)
種田 将嗣 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (90599656)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小学校教員養成課程 / 小学校理科 / アンケート調査 / 専門家、非専門家 |
研究実績の概要 |
本研究の最終目的は、科学の専門家である大学教員が非専門家の学生に教えるという、小学校教職課程の理科授業特有の課題に対応できる教科書を作成することである。令和2年度は研究の初段階として、以下の通り、まず課題の様相を明らかにすることを試みた。1.科学の非専門家が科学の専門家から科学や理科についての説明を受けるとき、話が分かりにくくなる原因に関連する匿名アンケート調査を実施した。対象と人数は以下の通りである。 ・大阪教育大学の学生237名(小学校免許取得を希望する理科専攻以外の学生で、小学校理科教科内容の受講者)・大阪青山大学の学生36名(小学校免許取得を希望する学生で、小学校理科教育法の受講者)・小学校教職課程のある全国の国公私立大学で理科の授業を担当する教員124名(QRコード付きアンケート用紙を郵送し、返信用封筒およびウェブで回答を回収) この調査の目的は、科学の非専門家と見なされる学生と、専門家である大学教員の間で、科学に関する話が分かりにくくなる原因についての意識の食い違いを明らかにすることである。また大学教員については、小中高等学校・支援学校での教職経験のない教員と、教職経験のない教員の意識の差を明らかにする。 2.全国の国公私立大学における小学校教職理科授業の実態について、1.の大学教員を対象に併せて調査を行った。調査項目は学生の知識や理解力、授業時間や授業準備時間、設備等の外的要因とその課題の他、限られた授業時間の中で、理科を専門としない学生に対して教員がどのような内容を優先的に教えようとしているかの意識の部分についても対象とした。この調査についても1.と同様に、教職経験がなく中学校理科内容等の授業も担当する国公立大学の教員と、教職経験のある私学の教員の意識の差に着目して分析を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学生と大学教員に対する調査は、ほぼ計画通りに実施することが出来た。一方、コロナウイルス感染拡大の影響で、代表者と分担者がオンライン授業の準備等で多忙を極めたため、小学校理科の単元内容についての個別の検討を行うための、打ち合わせや実験の機会をほとんど持つことが出来なかった。 以上の状況により、令和2年度の進捗状況は当初の計画よりやや遅れを生じていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
1.令和2年度の実施した調査結果の分析を進め、小学校教員養成課程における小学校理科内容の授業についての課題を、専門家(理科教員)と非専門家(理科を専攻しない学生)とのコミュニケーションという視点から整理する。分析に当たり、高校までの理科の学習履歴が国公立大学の学生と比較すると乏しいと考えられる私立大学学生の回答者数が不足しているので、他の私立大学で追加の調査を行う。また、国公立大学の理科専攻の学生を対象にした調査も実施する。 2.1.の結果を踏まえ、小学校教員を目指す理科専攻以外の学生のための理科の教科内容のテキストとしてはどのような構成、文体が適しているのかについての議論を開始する。 3.自然科学の物化生地各分野の内容の深みと、小学校の各学年の単元の学習目標を、教員志望者のための教科書という文脈に統合するための議論を、先行研究や現場の小学校教員のニーズを参考にしながら進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大の影響で、予定していた打ち合わせや学会出席、実験など予定ていた活動のうち多くが実施できなかったため。令和2年度にできなかった活動は、コロナウイルス感染の状況を見ながら令和3年度に順次実施していく。
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