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2022 年度 実施状況報告書

ジオストーリー開発による地球科学リテラシーの向上

研究課題

研究課題/領域番号 20K03279
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

松原 典孝  兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 講師 (80597336)

研究分担者 河本 大地  奈良教育大学, 社会科教育講座, 准教授 (10454787)
菅森 義晃  鳥取大学, 農学部, 講師 (10587356)
佐野 恭平  兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 助教 (40843321)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードジオパーク / 科学教育 / 地球科学 / ジオストーリー / 地域住民
研究実績の概要

2022年度に実施した研究の成果は主に,①兵庫県新温泉町居組における,散策モデルコース策定を通じた地域の地球科学的特徴の理解②兵庫県豊岡市出石における,散策モデルコース策定を通じた地域の地球科学的特徴の理解③地元ガイドと協働した京都府京丹後市丹後町における,新規ジオサイトの解説看板作成④兵庫県豊岡市神鍋高原における,玄武洞溶岩と滝を中心とした河床形態の関係解明⑤玄武洞のIUGS100認定とそれにかかわるガイドや住民による地磁気逆転現象の理解,⑥山陰海岸ジオパークのジオストーリーに関わる地史の再整理及びジオサイトの地球科学的情報の更新である.
①②については,今までコロナ禍で,研究代表者が主に行ってきた現地踏査と住民へのヒアリングを,共同研究者全員により実施し,より良い地域の科学的要素理解につながるマップ作りについて議論した.③においては,地元ガイドの要望により新規ジオサイトに指定した通称「オーロラ岩:中新世の冷却節理の美しいデイサイト,周辺には陸繋島がある」について,地元ガイドや行政職員,国立公園自然保護官等と現地調査し,看板の内容を検討,オーロラ岩の成り立ちや当時の古環境,陸繋島のでき方などを解説した看板を作成・設置した.この事業では,産業技術総合研究所の辻野氏にも地質学的知見から助言を受けた.④については,今後河床形態や滝形成のメカニズムを住民や観光客が理解し,楽しむための情報を作成するために,東北学院大学の目代氏協力のもと地形調査を行った.⑤については,IUGSが選定している世界地質遺産100選に玄武洞を推薦し,採択された.それにあたり,玄武洞の地球科学的価値について,IUGS100の本に一般にもわかるような内容で紹介文を執筆した.
⑥については,日本海拡大を記録する北但層群及び世界的価値玄武洞について,U-Pb年代測定やK-Ar年代測定を行い,新たな知見を得た.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の基盤となる科学情報の取得や,地域の科学情報の理解のためのツールづくり等は順調に進んでいる.一方で,コロナ禍の影響で地域住民と協働した活動やヒアリング調査などが,2022年度再開でき始めたが,これまでの遅れが多少影響している.また,海外の先進地の事例(ギリシャレスボスジオパーク)との比較研究が,コロナ禍のため渡航できず,滞っている.

今後の研究の推進方策

研究成果の取りまとめと,散策モデルコースマップやジオパークの普及冊子等への反映を行う.その際,住民の意見をヒアリング等により取り入れ,より一般住民が理解しやすい科学情報を構築する.また,それらが住民による地域の科学情報の理解につながったかを検証する.海外のジオパークとの比較研究については,比較的渡航しやすい韓国ハンタンガンジオパークにおいて,ガイドや地元高校生を対象にヒアリング調査等を実施する予定である.

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により海外先進地の比較研究ができなかったため.受け入れ先の状況を考慮して実施する.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] University of the Aegean(ギリシャ)

    • 国名
      ギリシャ
    • 外国機関名
      University of the Aegean
  • [雑誌論文] 鳥取県東部白兎海岸の中新統鳥取層群の地質:河原火山岩部層の K-Ar 年代と岩美層の未区分堆積岩層の堆積環境.2023

    • 著者名/発表者名
      菅森義晃・池内萌加・佐野円香・景山直樹・小玉芳敬
    • 雑誌名

      地質学雑誌

      巻: 129 ページ: 45-60

    • 査読あり
  • [雑誌論文] コラム 5 ジオパークで地球と楽しいひとときを―ガイド活用のススメ.2023

    • 著者名/発表者名
      菅森義晃
    • 雑誌名

      桑原希世子・柵山徹也,編集,「地球学実験」,大阪公立大学出版会

      巻: 5 ページ: 157-158

  • [雑誌論文] ジオパークからひろがる地域資源の活用と居心地の良い地域の構築 -山陰海岸ジオパークの例-2022

    • 著者名/発表者名
      松原典孝・阿部江利
    • 雑誌名

      ランドスケープ研究

      巻: 85,2, ページ: 126-129.

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 山陰海岸ジオパークにある玄武洞の渡船2022

    • 著者名/発表者名
      松原典孝
    • 雑誌名

      地図中心

      巻: 602 ページ: 18-19

  • [雑誌論文] 鳥取県の石「中新世魚類化石群」層準の年代の再検討:山陰東部の前期中新世末の海進史2022

    • 著者名/発表者名
      羽地俊樹・菅森義晃・田邉佳紀
    • 雑誌名

      地質学雑誌

      巻: 128 ページ: 295-306

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Special education program of Geopark for high school students - The case of Lesvos Island and San’in Kaigan UNESCO Global Geoparks collaboration2022

    • 著者名/発表者名
      Noritaka Matsubara, Nikolaos Zouros, Ilias Valiakos,Konstantina Bentana
    • 学会等名
      GeoSciEd IX 2022
    • 国際学会
  • [学会発表] 山陰海岸ジオパーク京丹後エリアにおける漁港の立地と地形的特徴・地質学的特徴の関係性解明2022

    • 著者名/発表者名
      松原典孝・石井三重子・目代邦康
    • 学会等名
      日本地質学会学術大会
  • [学会発表] GigaPanを用いて作成した超高解像度露頭画像の活用:山陰海岸ジオパークを例として2022

    • 著者名/発表者名
      川村教一・澤口 隆・佐野恭平・松原典孝
    • 学会等名
      日本地質学会学術大会
  • [図書] The first 100 IUGS Geologocal heritage site2022

    • 著者名/発表者名
      Noritaka Matsubara,Yuuki Fujihara,Setsuya Nakada *玄武洞について執筆
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      IUGS
    • ISBN
      978-1-7923-9975-6

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公開日: 2023-12-25  

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