研究課題/領域番号 |
20K03297
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研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
小森 めぐみ 淑徳大学, 総合福祉学部, 准教授 (40706941)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 物語 / 誤信念 |
研究実績の概要 |
2021年度は本研究課題の2年度にあたり、物語刺激の作成と妥当化、先行研究の追試を行う予定であった。しかし、昨年度から引き続く新型コロナウィルス流行の影響で、対面での実験実施が引き続き困難であったことから、研究が実施できなかった。また、方法論の再考の余地が生じたことから、日本心理学会、日本社会心理学会、日本グループ・ダイナミックス学会、アメリカ性格と社会心理学会に参加し、情報収集を行った。 本研究課題ではもともと健康行動など、参加者が日ごろ意識したり情報に接することがある身近な話題をとりあげて実験室実験を行うことを計画していた。しかし、新型コロナウィルス流行の影響で人々の健康に対する意識が高まっており結果にノイズが発生する可能性が高いことに加え、実験室実験の手続きをそのままウェブ調査に移行させた場合に生じうる問題(操作に十分なインパクトがあるか、十分なディブリーフィングができるのかなど)が考えられたため、方法論の再検討が必要となった。また、追試を予定していたGreen & Brock(2000)の物語説得研究は、使用される物語の中にあった倫理的な問題(傷害事件の鮮明な記述が参加者に精神的負担をかける可能性)が指摘され、研究実施に至らなかった。 方法論を再考すべく関連研究を改めて整理したところ、ウェブベースでもある程度の長さの物語を提示し、仮説に一致する結果を得ている研究もあることがわかった。また、物語刺激を数十年前に現実に報道された事件の新聞記事をベースとして作成したり、物語のテーマを先行研究とは異なるものにすることで、倫理的な問題を最小限に抑える手続きを考案し、新たな実験の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実施を予定していた研究に方法論上あるいは倫理的な問題が指摘され、研究実施に至らなかった。これらに対応する形で修正した研究を現在準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
別のテーマで物語を用いたオンライン実験を実施し、ウェブ上でも物語を用いた研究が実施可能であることは確認した。今後は計画中の追試を実施するほか、関連研究のレビューを実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症流行および方法論再考のため、当初予定していた研究が実施できなかった。また、学会がオンライン開催になったため、旅費が生じなかった。残額分は次年度以降の実験実施費用、学会参加費用に充てる。
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