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2022 年度 実績報告書

グランデッド認知アプローチに基づく潜在的リスクの可視化とレジリエンスモデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K03305
研究機関関東学院大学

研究代表者

大友 章司  関東学院大学, 人間共生学部, 准教授 (80455815)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード災害関連行動 / 健康関連行動 / グラウンデット認知アプローチ / 経験サンプリング / 個人内変動
研究実績の概要

本研究では、健康問題や災害問題おける生活環境に存在する潜在的リスクを、”グラウンデッド認知アプローチ”と呼ばれる心理的枠組により可視化することを目的としている。具体的には、時系列の環境の変動と個人の変動を体系的に測定する経験サンプリングなどの研究手法を用いて、環境に存在する潜在的リスクを明らかにする。本年度は、前年度のまでの研究成果を発展させ、災害時の避難行動の経験サンプリング調査の研究を実施した。その結果、年齢、居住形態、被災経験などのデモグラフィック要因に加えて、ハザードマップの認識、地震の予期、不安の多さなどの個人間の変数と、さらには朝、昼、夜といった災害遭遇時の状況の個人内の変動が、避難行動の選択に関連していることが示唆された。したがって、災害遭遇時の避難行動の認知要因に影響を及ぼす個人間および個人内の変数の両方に焦点をあてた包括的なアプローチが重要であることを指摘した。
一連の研究を通じて、健康行動や災害関連行動において行動動機を形成している認知要因が状況に応じて可変的になることが明らかにされた。とくに、経験サンプリングの手法を用いることで、従来の意図と行動の一貫性の問題は、個人間の変動だけなく、個人内の変動が関与していることを、生態的な妥当性の高いデータから実証的に検討することができた。これらの研究成果から、社会的リスク行動を生じさせる生活環境下にあるさまざまな認知的手がかりの影響を統計的なモデリングにより可視化するだけなく、コロナ禍の社会的環境の影響下から人々が適応するための耐性をどのように高めていくのかのレジリエンスについて、タイムマッピングを応用したモデルを提唱をすることができた。本研究成果の一部は、前年度までの発表に加え、2023年のヨーロッパ健康心理学会、日本地球惑星科学連合学会、日本心理学会で発表予定だけなく、投稿論文としての発表を計画している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] The effect of habit on preventive behaviors: a two-wave longitudinal study to predict COVID-19 preventive behaviors.2022

    • 著者名/発表者名
      Ohtomo, S., & Kimura, R.
    • 雑誌名

      Health Psychology and Behavioral Medicine

      巻: 10 ページ: 480-497

    • DOI

      10.1080/21642850.2022.2075876

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] コロナ禍からの生活復興感の規定因 2021年4月の復興カレンダー調査による検討2022

    • 著者名/発表者名
      大友章司・木村玲欧
    • 学会等名
      日本社会心理学会第63回大会
  • [学会発表] 不健康な食品消費の個人間,個人内の動機と行動の関連の検討2022

    • 著者名/発表者名
      大友章司・濱口郁枝
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
  • [学会発表] 消費者の食育環境がファストフードとカフェの利用行動に及ぼす影響について2022

    • 著者名/発表者名
      大友章司
    • 学会等名
      産業・組織心理学会第37回大会
  • [学会発表] The effects of psychological resilience on recognition of life recovery from the COVID-19 calamity2022

    • 著者名/発表者名
      Ohtomo, S., & Kimura, R.
    • 学会等名
      36th annual conference of the European Health Psychology Society
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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