研究課題/領域番号 |
20K03306
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
高尾 堅司 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (00412263)
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研究分担者 |
水子 学 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50341160)
瀧川 真也 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (10587281)
山根 嵩史 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (90808726)
佐々木 新 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (60633873)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 防災対策 / 心理学 / 制御焦点 / リスク認知 / 責任感 / 障がい者 / 障がい者と同居する親 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,避難行動要支援者の同居家族の実情を踏まえた防災対策意図に関する社会心理学的モデルを構築することである。この社会心理学的モデルを構築するために,障がいを理由に平時における防災対策(備蓄や防災訓練への参加)が自力では困難であり,他者(家族含む)によるサポートが必要不可欠な子(20歳から49歳)と同居する親(40歳から69歳)を対象に,アンケート調査を実施した。回収数は185票で,障がい区分に関する記載内容が不明瞭であった1票を除く184票を有効回答票とした。 本調査で使用した主な質問項目は以下の通りである。複数の防災対策それぞれに対する実行意図,親として防災対策に取り組む責任感,防災対策に対するコスト評価,防災対策の付加価値に対する評価を測定する質問項目を用意した。また,回答者である親自身の制御焦点を測定する質問項目のほか,地震発生に伴う危険性に対する認知,子に対するサポート意思,回答者である親を含めた家族の構成員数,子の障がい内容等に関する質問項目を用意した。 主要な分析結果は以下の通りである。階層的重回帰分析を実施したところ,相対的制御焦点に関する変数と防災対策に対する評価項目の交互作用項が,防災対策意図を規定することが確認された。この分析結果は,避難行動要支援者と同居する親世帯に対する防災啓発の実践面に有益な示唆を与えるとともに,社会心理学的研究としても一定の意義があることが考えられる。以上の分析結果の詳細については,令和3年度中に学術学会にて公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度科学研究費助成事業交付申請書の記載内容の通りに,令和2年度にアンケート調査を実施することができた。これにより,令和3年度以降の研究課題遂行の足掛かりを得ることができた。よって,おおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度に実施したアンケート調査の結果を踏まえて,令和3年度も新たにアンケート調査を実施する予定である。なお,本研究課題の目的を達成する上でより的確な研究法が見いだされた場合は,その研究法を採用する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から,研究課題に係る情報収集等の各種出張を見合わせざるを得なかった。また,アンケート調査を実施したが,当初のアンケート調査の予算額を抑えることができた。以上の理由等により,次年度使用額が生じた。次年度以降は,新たにアンケート調査を実施するほか,研究課題に係る書籍等の購入,研究成果の公表等に努めることにより,直接経費を有効活用する。
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