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2021 年度 実施状況報告書

小児期の逆境的体験(家庭および学校)と引きこもりの関連

研究課題

研究課題/領域番号 20K03307
研究機関弘前大学

研究代表者

和久田 学  弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (20646210)

研究分担者 西村 倫子  浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任講師 (30773791)
斉藤 まなぶ  弘前大学, 医学研究科, 准教授 (40568846)
足立 匡基  弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (50637329)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードACE / 虐待 / 学校 / 引きこもり
研究実績の概要

本研究では、家庭環境と共に学校環境における小児期の経験が青年期後期以降の引きこもり発症にどう影響を与えるかを検証することを目的とする。そのために、ACE (Adverse Childhood Experiences)に加えてPCE(Positive Childhood Experiences)を取り入れ、さらには家庭だけでなく学校におけるACE、いじめ被害などについて、質問することにした。また、引きこもりの状況を明らかにするために、就労状況や生活について、内閣府の調査と同様の項目を、メンタルヘルスの状況を明らかにするために、PHQ4の質問項目を使用した。2021年度は、研究計画に従って、Webにより20~34才までの男女、4000人を対象に調査を行った。
その結果、家庭内でのACE得点が0点の者が全体の64.1%、1点が18.2%、2点が7.5%、3点が1.6%などの結果を得た。これまで行われてきた、アジア圏における調査、欧米で行われた調査のアジア人の結果とだいたい同じ程度の数値だった。
一方、学校でのACE得点は、0点が79.5%、1点が13.2%、2点が4.4%、3点が1.9%などであり、いじめの被害体験は29.4%だった。
また小児期のポジティブな体験については、7点満点中、7点が26.5%、6点が14.9%で、0点は12.2%だった。
こうしたこととメンタルヘルスの悪化、引きこもりには関連があることが証明され、特に引きこもりについては、学校でのACEやいじめ被害が有意に関連していることが明らかになった。また、小児期のポジティブな体験は、メンタルヘルスの悪化、引きこもりの両方について、保護因子として働いていることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り、4000人を対象にしたWeb調査を終了し、その解析および2次調査を実施している状況にある。

今後の研究の推進方策

4000人を対象にした調査の結果を解析し、論文やシンポジウムで発表を行う。また引きこもり群に対する2次調査を進め、引きこもり群の小児期体験の詳細について明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響から、予定していた調査の実施が遅れ、それに伴ってデータ解析の一部を持ち越したことから、使用額が予定より減じた。その分は、次年度実施して使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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