研究課題/領域番号 |
20K03311
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
市原 学 都留文科大学, 教養学部, 教授 (10406788)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 感情プライミング課題 / 自動的共感 / 共感の非対称性 |
研究実績の概要 |
本研究は感情プライミング課題から「自動的共感」を抽出することを目的としていた。また、本研究では共感の非対称性についても検討している。気分一致効果の実験では、ネガティブ感情においてはポジティブ感情ほどの気分一致効果はみられ ないと指摘されている(Blaney, 1986)。このような非対称性について、Clark & isen(1982)は人はポジティブ感情の維持高揚に動機づけられている一方で、 ネガティブ感情に対しては、それを修復しようと同期づけられていると説明している。このような知見をふまえれば、感情的、自動的共感についてもポジティ ブ、ネガティブ感情への共感性には程度の違いがあるとも考えられる。2022年度に行った実験では親近性の高い対象に対してはポジティブ感情へ の共感性が強く見られ、親近性の低い対象に対してはネガティブ感情への共感性が強く見られた。このように、現在までのところ共感の非対称性については一貫 した結果が得られていない。2023年度は主に文献研究によって共感の非対称性を説明しうる調整変数について検討した。Koole & Fockenberg (2011) によれば、逼迫した状況下における行動の志向性(action orientation vs. state orientation)が共感の非対称性を説明しうることが実験で示唆された。また、Eder(2011)によれば、実行意図(implementation intention)が共感を調整しうることが指摘された。今後はこれら行動志向性や実行意図を本研究の実験に組み入れて共感の非対称性を検討していく予定である。 また、今年度は2022年に行った実験の結果をまとめて、日本心理学会にて発表した(別添)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は自動的共感の非対称性について文研研究を行い、その調整変数となる候補を検討した。2024年度はこれらの調整変数を組み込んだ実験を行うことができそうである。
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今後の研究の推進方策 |
逼迫した状況下における行動の志向性(action orientation vs. state orientation)や実行意図(implementation intention)を実験的に操作する。その影響が自動的共感の非対称性を予測するかどうかを検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に予定していた研究出張がキャンセルになったため、2024年度に使用することにした。2024年度は、society for personality and social psychology(SPSP) が主催する年次大会(at Denver)に参加する予定であり、その参加費や旅費に使用するつもりである。。
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