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2023 年度 実施状況報告書

潜在意識-顕在意識指標の並立測定システムの構築と近隣国への排外主義の多層性検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K03319
研究機関フェリス女学院大学

研究代表者

潮村 公弘  フェリス女学院大学, 文学部, 教授 (20250649)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード潜在意識測定 / IAT
研究実績の概要

本研究課題の第一の主たる目的は、1)「IAT技法を用いて測定した潜在意識指標」、2)「伝統的な尺度構成法を用いて測定した顕在意識指標」という2段階の意識レベルの測定を統合的に扱うことである。
2023年度には、この目的に沿って、韓国・韓国の国民への認知を対象として、ウェブサイト上でのIAT (Implicit Association Test)技法を用いた測定サイトでのデータ収集と、Google Formsを用いた顕在意識測定とを行い、両タイプの測定データをリンクする調査研究を、2023年6月~2023年7月にかけて実施した。現在、データ分析を進めている。
また、第二の目的は、特に、IAT技法を用いて測定する潜在意識を、(特定の大学の学生だけといったような限定的な調査対象者ではなく)日本国内での多様な年齢層・多様な居住地域の人々からのデータ収集を行い、日本国内における年齢層や居住地域の違いといった差異について検討をすることである。
2023年度には、通年にわたり、すなわち2023年4月から2024年3月にかけて、この目的に沿って、日本国内向けに公開されているウェブサイト上で、韓国・韓国の国民に対する認知をはじめとして、日本国内における主要なステレオタイプ的認知の対象に対する潜在意識を測定している。こちらについては、現時点においても引き続き、潜在意識データのデータ収集を継続しており、今後、分析を進めていく。
なお、ウェブサイトを用いた潜在意識指標測定システムに関して、システム改良についての検討を進め、同システムのシステム構築会社との改良内容の詳細について議論と相談を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年は、第一の目的である「IAT技法を用いて測定した潜在意識指標」と、「伝統的な尺度構成法を用いて測定した顕在意識指標」という2段階の意識レベルの測定を統合的に取り扱うために、韓国への認知・韓国の国民への認知を対象として、ウェブサイト上でのIAT技法を用いた測定サイトでのデータと、Google Formsを用いた顕在意識測定でのデータをリンクする調査研究を、2023年6月~同年7月にかけて実施することができた。
また2023年には、第二の目的である、IAT技法を用いた潜在意識測定を日本国内での多様な年齢層・多様な居住地域の人々からデータ収集を行い、国内における年齢層や居住地域の違いといった差異について検討するという目的に沿って、日本国内向けに公開されているウェブサイト上で、日本国内における主要なステレオタイプ的認知の対象に対する潜在意識変数とデモグラフィック変数の測定を継続して遂行しており、データの蓄積を行っている。
これら上記の2つの目的に対応したデータ収集については、おおむね順調にデータ収集が進められてきたと言える。
その一方で、ウェブサイトを用いた潜在意識指標測定システムについては、システムのローンチ以降、2年以上の年数が経過し、その間にさらなるシステム改良が望ましい点が明確になってきたものの、その改良は、スケジュー的な制約から2023年中には実施することができなかった。以上の3点を総合的に勘案して、現在までの進捗状況として、〔(3)やや遅れている。〕という状況であると言える。

今後の研究の推進方策

第一に、「IAT技法を用いた潜在意識指標」と、「伝統的な尺度構成法を用いて測定した顕在意識指標」という2段階の意識レベルの測定を統合的に取り扱うために、韓国への認知・韓国の国民への認知を対象として、ウェブサイト上でのIAT技法を用いた測定サイトでのデータと、Google Formsを用いた顕在意識測定でのデータをリンクさせた調査研究については、データの分析を進めて、研究発表の準備を進めていく。
第二に、日本国内向けに(厳密には日本語を扱うことができる人に向けて)公開されているウェブサイト上での、日本国内における主要なステレオタイプ的認知の対象に対する潜在意識変数とデモグラフィック変数の測定について、データ収集を継続する。ステレオタイプ的認知の対象テーマごとに収集データ数にばらつきがあるため、外部への研究成果発表に足るためのデータ数となるようにデータ収集・データ蓄積を継続して進める。
さらには、ウェブサイトを用いた潜在意識指標測定システムについて、システムのローンチ以降、2年以上の年数が経過し、その間にさらなるシステム改良が望ましい点が明確になってきており、その改良を2024年中に実施していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

2023年度末に、545,914円の次年度使用額が生じた。ウェブサイトを用いた潜在意識指標測定システムについて、そのローンチ以降、2年以上が経過し、さらなるシステム改良が望ましい点が明確になってきていた。2023年度中に、潜在意識測定システムの改良についてシステム構築会社との相談を進めた上でシステム改良を実施したいと考えていたが、システム構築会社との相談に想定以上の期間を要し、それが完了しなかった。この次年度使用額は、2024年度分の研究遂行費として使用し、潜在意識指標測定システム改良の費用ほかに充当する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ウェブサイトを活用した潜在意識測定ツールの開発 ―システムの必要性とExplore.Implicitサイト概要の報告―2023

    • 著者名/発表者名
      潮村公弘
    • 雑誌名

      多文化・共生コミュニケーション論叢

      巻: 18 ページ: 5-22

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 韓国人に対する偏見の表出と社会規範:IATを用いた潜在的偏見の測定と顕在的偏見との関連の検証2023

    • 著者名/発表者名
      永吉希久子・潮村公弘・田辺俊介・齋藤僚介・瀧川裕貴
    • 雑誌名

      理論と方法

      巻: 38 ページ: 212-224

    • 査読あり
  • [学会発表] 韓国人に対する偏見への記述的規範の影響:サーベイ実験を用いた検証2023

    • 著者名/発表者名
      永吉希久子・齋藤僚介・潮村公弘・瀧川裕貴・田辺俊介
    • 学会等名
      第75回数理社会学会大会
  • [学会発表] Websiteを利用したアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の測定 (1) ―概要の報告―2023

    • 著者名/発表者名
      潮村公弘
    • 学会等名
      日本社会心理学会第64回大会

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公開日: 2024-12-25  

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