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2020 年度 実施状況報告書

文化的群淘汰理論における協力行動のキャリーオーバー仮説

研究課題

研究課題/領域番号 20K03323
研究機関広島修道大学

研究代表者

中西 大輔  広島修道大学, 健康科学部, 教授 (30368766)

研究分担者 中川 裕美  大阪体育大学, 体育学部, 助手 (70848853)
井川 純一  大分大学, 経済学部, 准教授 (90748401)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード多数派同調バイアス / 文化的群淘汰 / 集団葛藤
研究実績の概要

2020年度は集団間葛藤状況における協力の文脈で多数は同調行動を行うことが前提とされている場合と、そうでない場合とで、母集団全体の平均適応度の比較を行うシミュレーションを行うことを目的としていた。進化シミュレーションが実施できる準備を行っていたが、以下の点が理論上気になった。つまり、文化的群淘汰理論では情報獲得の文脈で多数派同調バイアス (Boyd & Richerson, 1985) を示すことが前提となっているが、そもそもこの前提が満たされているかどうかという問題である。このことについて若干文献レビューを行うと、Coultas (2004) やEriksson & Coultas (2009) において、必ずしも人が多数派同調バイアスを示さないという実証データが得られていることが明らかとなった。しかし、彼女らの研究では規範的な問題や習慣的な問題に対して多数派同調バイアスを示すかどうかが検討されており、本来Boyd & Richerson (1985) らが問題としていた解の自明性が保証される (正解が定義できる) 状況における意思決定の問題とは異なる状況が設定されている。
そこで、1年目ではまず進化シミュレーションを行う前に、解の自明性が高い情報獲得の文脈で人が多数派同調傾向を示すかどうかを実証的に明らかにすることにした。1年目はEriksson & Coultas (2009) を参考にQualtricsを用いた予備調査フォームの作成を行った。2021年度の前半で予備調査、本調査を行い、多数派同調バイアスを人が示しているかどうかを確認した上で、そうした行動を協力の文脈にキャリーオーバーしているかどうかを明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

進化シミュレーションを行う前に実証データが必要となることが明らかとなったが、新型コロナの蔓延問題もあり、予定していた研究ミーティングが十分にできず、また調査準備も遅れてしまったため。

今後の研究の推進方策

研究実績の概要にも書いたように、本来1年目に進化シミュレーションを行い、2年目以降に場面想定法実験や調査を行う予定であったが、その前に人が多数派同調バイアスを本当に示すかどうかを実証的に明らかにする必要性が出てきた。そのため、まず調査によってさまざまな課題において人が多数派同調バイアスを示すことを確認し、その上で、そうしたバイアスを集団間葛藤の状況にもキャリーオーバーするかどうかを今後明らかにしていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究ミーティングが行えなかったため。

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公開日: 2021-12-27  

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