共感性を測定する手法として、人物の表情を写した画像や動画を観察する際の視線情報を用いるアプローチが近年注目を集めている。本研究では、その際の刺激素材として“マンガ”が有効であるとの仮説に立脚し、マンガを読む際の視線情報と読み手の共感性との関連を明らかにすることを目的とした。その結果、マンガを読む際の視線データと読み手の共感性との間に相関関係があることが明らかになった。また、マンガを素材とした自閉スペクトラム症傾向を測定する「まなざしから心を読むテスト」を開発した。本研究の結果から、マンガの読みにおける視線情報が読み手の共感性の有り様を反映する指標として活用できる可能性が示唆された。
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